現代政治←→歴史

インターネットが広く普及して(という枕詞を書くといかにもおっさんですが)研究手法は大きく変わりましたが,最近だとオンラインでのインタビューやネットに公表されていた資料の収集整理なども系統的に考えていかないといけないように思います。そういう…

政治学と因果推論

大阪大学の松林哲也先生から,『政治学と因果推論』を頂きました。どうもありがとうございます。因果推論の方法は経済学を中心に,社会科学で共有できる方法として広がっています。そんな中で「政治学と因果推論」と言うと,政治学でも因果推論の方法を使わ…

仕事納め

いつの間にか2021年も終わり。忘年会とか年末を感じさせる(外での)行事が減ったためにあんま年末感しなかった。もちろん去年も似たような状況だったわけですが,今年のほうが(オミクロン株への懸念があるとはいえ)昨年より自由がある感じでかつそういう…

分散化時代の政策調整

広島大学の小林悠太先生に『分散化時代の政策調整』を頂きました。ありがとうございます。本書は博士論文をもとにしたものですが,小林さんは修士課程の時に大阪大学で副査として指導をした大学院生で,実は副査などをしていた大学院生が書いた初めての著作…

野党の戦略

10月31日に行われた総選挙では,まあ事前の予想にされたように――というか政党支持率を反映して――自民党が単独過半数を超えて,野党には厳しい結果になりました。野党のほうには直前には菅総理の不人気があって,これなら勝てるのではないか,という期待があ…

それでも選挙に行く理由

慶應義塾大学の粕谷祐子先生に,『それでも選挙に行く理由』を頂いておりました。ありがとうございます。投票日に紹介するにふさわしい本のように思います。本書はプシェヴォスキという碩学が,自らのものをはじめとしたさまざまな研究の成果から,選挙を行…

テキストブック地方自治

9月は上旬が割と時間あるのかなあ,というところから始まった割には,途中から政治学会の事務局仕事と後期授業のための教務委員長仕事に忙殺されて何もできなくなるという…なんというか確かにずーっとメール書いてるような日もあるわけですが,それにすべて…

日本政治史/政治学史

日々の業務に追われてなかなか頂いた本を紹介しきれていないのですが,最近も非常に興味深い本がさまざま出版されています。ちょっと前ですが,駒澤大学の村井良太先生からは『市川房枝-後退を阻止して前進』を頂いておりました。ありがとうございます。市…

中公新書2021年7月

2021年7月の中公新書,4冊出版のうち3冊がたまたま同い年(1978年)の政治学者によるものになってました。いずれもいただきまして,どうもありがとうございます。 北海学園大学の山本健太郎先生が書かれたのは『政界再編-離合集散の30年から何を学ぶか』で…

教科書/入門書

同僚の興津先生と東京大学の宍戸先生から『法学入門』を頂きました。ありがとうございます。ずっと入門しようと思いつつ20年くらい入門してないのですが,この本は基本的なところから新しい展開まで幅広く扱われていてとても興味深く読みました。自分が学生…

比較政治

昨秋のオンライン講義の用意のために大幅に予定が遅れてご迷惑をおかけしてしまった仕事がようやく落ち着き,気持ち的には平穏が戻ってきた今日この頃。しかしなんとなくやってしまった学会事務局×2と学部の教務責任者の仕事はなんか断続的に入ってくるわけ…

政治参加

何の因果かほんのちょっとだけ政治参加について文章を書かなくてはいけなかったのですが,たまたま最近頂いていた本がすごく勉強になりました。東京大学の境家史郎先生から頂いておりました『政治参加論』は,現在熊本県知事をされている蒲島先生が1980年代…

地方自治・日本政治

バタバタしているうちに年度末が終わり,新年度には大学で管理職の末端を担うことになりました。正直不慣れで向いてませんが,最近は執行部会とか理事会みたいなのばっかりやってます(マンション理事会では大規模修繕やってます!)。他方で書かないといけ…

民主主義/権威主義

2020年内は感染症の影響で色んなプロジェクトがストップしてしまったことの反動からか,年末あたりからいろいろと興味深いご著書が出ていて何冊か頂いております。できるだけ紹介させていただきたいのですが,とりあえずその一部を。 10月には宇野重規先生か…

日本の行政学/地域衰退

授業が落ち着きだいたい採点も終わったと思ったら,それまで先送りにしてた仕事に圧倒される,というのは毎年の二月の光景ですが,今年度はオンライン授業であったことと来年度以降の某業務のためにいつもよりひどい感じに…。来年は大丈夫なんだろうか(とい…

地方自治の講義

ようやく第4クオーターの授業も一通り終了(あとゲストトークがあるけど)。オンライン講義のために,行政学Bは地方自治の講義として再編成されることになり,これまでとはだいぶ違うかたちで行われることになったので備忘のためにメモ(たぶん対面だともっ…

年の瀬

オンライン講義の準備は際限なく続きますが一応仕事納めということで,気持ちとしてはまだ10月くらいなんですがどうも2020年が終わってしまうようです。新型コロナウイルス感染症の蔓延という昨年の今頃は全く予期せぬ出来事によって,ご多分に漏れず2020年…

行政学の位置

第3クオーター終了。行政学A,採点はまだだけど。Google classroomを使った完全オンデマンドで,学生のみなさんとはインターネット以外の接点がない授業だったが,個人的にはかなりのエフォートを使うことになり,それなりに満足したところもある。動画はだ…

日本は「右傾化」したのか

宣伝ですが,小熊英二・樋口直人『日本は「右傾化」したのか』慶應義塾大学出版会,に「地方議会における右傾化-政党間競争と政党組織の観点から」という論文を,秦正樹さん・西村翼さんとの共著で寄稿しました。ヨーロッパを中心に,右翼政党が進出するメ…

お知らせ-『政治学の第一歩[新版]』について

このたび稗田健志さん・多湖淳さんと共著で有斐閣から出版しております『政治学の第一歩』が,刊行から5年を経過して新版として改めて刊行されることになりました。多くの方がお読みくださり,また大学の授業で教科書として利用してくださったおかげです。執…

自民党大阪府連公開討論会

大阪都構想周辺の研究を10年くらい続けていると,この方にこういう依頼をされると断りにくいなあ,ということも出てきます。今回はそんなかたちのご依頼を受けて,普段やることがないファシリテーターのお仕事をしてきました。しかも,とにかくしゃべりたい…

統治のデザイン

宣伝ですが一章寄稿した『統治のデザイン-日本の「憲法改正」を考えるために』(弘文堂)が出版されます。本書では,憲法学者と政治学者が共同して,人権について定めたいわゆる権利章典の部分を除いた統治機構に関連する,安全保障・代表・議会・内閣・司…

現代日本の代表制民主政治

東京大学の谷口将紀先生に頂きました。この20年にわたる東大朝日調査の成果を披露した,言わずもがなの必読書です。ポリティカル・サイエンスで重視されるような理論構築-検証よりは,どちらかと言えばデータから現実を探索的に明らかにしていくことに重点…

最近のいただきもの

しばらく頂いた論文集や共著の書籍などをご紹介できていなかったのですが,以前のものも含めて簡単に最近の書籍を。 大阪市立大学の野田昌吾先生に『ポピュリズムという挑戦』を頂きました。ありがとうございます。ヨーロッパ各国におけるポピュリズム政党を…

自治体/政策研究

年度末になると出版助成の締め切りということもあって単著を頂くことが増える傾向にあるのですが,今年も色々といただいております。コロナウイルスでさまざまな会議がキャンセルとなり,子どもが家にいる中での「在宅勤務」をしていて,子どもの勉強を見な…

『二重らせん』

すき間時間に読み進めていた中川一徳『二重らせん』をやっと読んだ。前著『メディアの支配者』を引き継ぐものでめちゃくちゃ面白いテーマで詳細な記述は相変わらずすごいけど,今回は(たぶん前回よりも)知らない人名がいっぱい出てくるのですき間で読むの…

都市政治・自治体行政

最後は都市政治や自治体行政に関する研究書。まず,都市政治と言っていいのかわかりませんが,筑波大学の五十嵐泰正先生から『上野新論』を頂きました。どうもありがとうございます。五十嵐さんは大学院の先輩でもありますが,本書につながった研究として,…

日本政治/政治史

前回は比較政治・国際政治研究でしたが,今回は日本政治と歴史関係での最近の研究の紹介。なおこのシリーズもう一回続きます…。それはともかく,村井良太先生からは『佐藤栄作』を頂きました。ありがとうございます。私自身も研究してます住宅政策を含めた「…

比較政治・国際政治研究

これまで年末に頂いた本をざっと紹介していたりしたのだけど,去年は最後までバタバタしていたおかげでなかなかその時間が取れず,年明けにやろうと思っても体調を崩してこれもまた難しかった。まあ時間がないのも原因ですが,何よりたくさん研究書が出てい…

年の瀬

今年はなんか仕事した感のある年だった。まあ前の3年間はどっかで在外研究に引っかかってるから,一年がっつり仕事をしてるというのは4年ぶりということで,確かにこんなにたくさん書いたものが出たのは2015年以来。論文もまああるけど,コラムや長めの取材…