分権委員会第二回会合

いやまあいつまで続くかわかりませんけど,せっかくなんで観察記録をつけておこうかなぁ,と思ったりして。いろんなところで中継って書いてて,猪瀬事務所のウェブサイトでも「ちょっと遅れて中継」なんて書いてあったりしてたので,そらもうリアルタイムだろう,ということで13時30分ころからPCの前でずっと待機していたにもかかわらず,結局のところオンデマンド配信。まあある意味当然だし,ぜんぜんそれでいいと思うんですけどね。「事務局からの連絡事項」で音声カットが入ったものの,まあそこは未確定事項も多いことを考えるとそらそうだろう,と。それ以外ではノーカットで(少なくとも僕にはそのようにしか見えない),関心がある人にはとてもいいんじゃないかと思います。まあ結局(ほぼ)静止画像が二時間流れっぱなしになるのはご愛嬌として。
初めてのネット配信を見たところ,これが一番脅威なのは,委員でも官僚でもなく実は記者なんじゃないか?というのがふと思った感想。だって,これまで一般の人が入れなかった記者さんの「現場」に行かなくたってネットを通じてその模様が見れるわけだし。コレを見て記者が何を書いたか,ということは僕らでもわかるわけだから,かなり辛いんじゃないの〜,とひねくれた根性丸出しで思っちゃいます。実際,会議終了後に10分ほど記者との質疑応答が入った中で,質問4つのうち2つがネット配信に関するものだったので,記者からのこの問題に対する関心の高さが計らずしも露呈って場面じゃないかと(ていうか例えば議論の成果の活かし方とか他に聞くことがたくさんあったのではないかと)。
ウェブに出てるニュースを見る限り(だから解説記事を除く),北海道新聞が「二重行政の解消、地方税財源拡充 分権推進委が論議開始」というわりとちゃんとした記事を書いていたのに対して(実際僕もこれが一番みんな触れてたし,具体的な話に近かったと思う),日経読売が猪瀬委員の東京DCの構想を取り上げて…。本人も単なるファクト・ファインディングのための仮説だって言ってるし,全体でほとんど触れられてないのにねぇ。また踊らされるのかなぁ,と思いつつ。まあ日経はこういう記事もかいてますけどね。てか,ちょっと前には分権委員会では税財源の話をやらない見通し,って言ってたじゃないっすか…と思うのですが。
と,何かメディアの話を書いてたら長くなってきましたが,今回の議論ではまあ総論なので,これまでもううんざりするほどされてきた議論が十年一日のごとく出てきます。曰く,ナショナルミニマムの同定,事務配分の問題,国の義務付け・関与と国庫負担金の縮小,もちろん二重行政の問題も。ちょっと新しい話だと思ったのは,猪瀬委員が主張する,地方公務員の数を人口と面積で!っていう話ですかねぇ。あまり触れられなかったものの重要だと(僕が)思うのは,行政経営って言ったときの地方議会の位置づけ,ってところでしょうか。首長が経営感覚を持つのはいいことだけど,地方議会がそのときにどういう役割を果たすのか,というところ。これは横尾委員のプレゼンに対する小早川委員のコメントですが。横尾委員は,議会の定数等について地方自治体の自由度を上げる…みたいな回答をしていたけど,ここは公職選挙法の規定を緩めて,地方議員の選出方法についても自由度を上げていくっていうのはいかがでしょう,と思ってみたり。
あと,ちょっと興味深かったのは,国・地方,そして国民の「痛みの共有」が強調されていたこと。これはきっとネットの先を意識してるんじゃないかなぁ,と思いながら見ていたのですが。関連して言うと,丹羽委員長はきちんとまとめて進めることがわかった他に,委員長が相当ネットの先の視線を意識してそうなことがすごいなぁ,と。最後に,地方自治体の行政官に向かって危機意識の共有を訴えかけるくだりは,このネット配信を誰が見ているのかよく踏まえたうえで行われる効果的な発言だったんじゃないかと正直思います。
って現在進行形の話を書くのは難しいですねぇ。まあこんなブログをごらんになる人は少ないとは思うんですが,すぐに検証されちゃう話だからやっぱり気になるものです。