どうなるのか

色々な仕事が予想外に回転していることで,眼前の仕事に対してどうも僕の処理能力では追いつかない。小学生の頃にやった「ニュートン算」みたいな話で,アウトプットは多少とも出ているものの,インプットが処理能力と比べて相対的に多すぎる…この解はまあインプットを減らす,ということでしょうが,それも寂しいですしねぇ。(それで時間が減るのが英語の勉強,っていう現実がなんともどうしようもない)
まあそれはそれとして,現在分権委でも大きなテーマの一つとなっている保育に関して,異なる二つの記事を発見。まずは朝日新聞(たぶんリンク切れなので貼りませんが)。

保育所にも「選択の自由」 厚労省検討へ
認可保育所の入所先を市区町村が割り振る現在の方式について、厚生労働省は新たな仕組みが導入できないか検討を始める。保育所の「選択の自由」に厚労省はこれまで慎重だったが、利用者が希望する保育所を選んで直接契約する方式も視野に入れている。
厚労省社会保障審議会・少子化対策特別部会が9日、素案として示す。ただ、厚労省内には、認可保育所の絶対数が不足しているなかで新制度へ移行すると、低所得家庭の子どもや障害児らが切り捨てられるとの懸念も根強く、議論は慎重に進める方針だ。
現行制度では、保育所の利用希望者からの届け出を受けて、市区町村が入所先を割り振っている。(以下略)
2008年05月08日22時55分 asahi.com

一方時事通信は今朝の官庁速報でこんな感じ。

◎サービス利用要件に新基準を=子育て支援制度で素案−社保審
社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の少子化対策特別部会は、子育て支援の新たな制度設計に向けた素案をまとめた。保育サービスを利用できる「保育に欠ける子ども」の判断をめぐって市町村にばらつきがあることなどから、サービス利用の新基準を国が検討するよう盛り込んだ。財源に関しても一定規模の「財政投入が必要」とし、子育てサービスの量的拡大を求めている。
素案は、人口減少社会において「就労」と「出産・子育て」の二者択一構造を解決する必要があると指摘。仕事と子育ての両立を支援し、どこに住んでいても、必要なサービスが受けられる普遍性を求めた。
児童福祉法は、保育サービスを利用する上での子どもが「保育に欠ける」要件として、保護者が▽昼間、常態的に勤務している▽妊娠中もしくは産後間もない▽ 病気などがある―などと定めている。しかし、運用する市町村によって、例えば勤務時間などの判断基準が異なるため、特別部会は普遍性の担保を求め、国に対し「新たな基準の導入など利用要件の在り方を検討する必要がある」と促した。(以下略)
(2008年5月14日/官庁速報)

前者の書き方では「保育に欠ける」そのものを見直す,そして後者は「保育に欠ける」要件を見直すということで,まあ全く違ってくるわけです,たぶん。じゃあまあ素案そのものを確認すればいいじゃないか,と思ったりするわけですが,この素案が出てきたのは5月9日に行われた厚労省第8回社会保障審議会少子化対策特別部会です。しかし,現在のところまだこのときの討議資料は公開されておりません。第7回を見ると審議から10日位してから資料が公開されているようなので,まあ週明けにはわかるのではないかと。デモなんでこんなに違うんだろうなぁ。まさか素案(の素案?)を見ずに記事を書くことはないと思うものの,単にリーク元が違うということなのだろうか。
しかし一次勧告で保育関係を取り上げることが予定されている分権委としては結構微妙なタイミングなのではないかと(分権委45回資料5「第一次勧告の構成案」)。前に元官僚の方へのオーラルヒストリーに参加させていただいたときから多少問題意識を持っていたのですが,こういう審議会の関係というのは実はこれから大きな問題になりそう。分権委のような「官邸主導」で政策分野をまたぐような審議会と,社保審のような従来からある個別の政策分野について考えるような審議会の「調整?」をどのように考えるか。最近では教育再生会議中教審の関係も問題になったし,先日抜き刷りを頂いた荒井さんの議論からも規制改革会議と中教審の関係について議論できるかもしれない。