新年度

早いもので2012年ももう3ヶ月を過ぎて新年度になりました。やはりこっちの方が仕事始め,って感じがしますね。まあホントに「秋入学」になったらどうなるのかよく分かりませんが。一昨年度から休みなく何か書いてる気がするので,今年度は今書いているものが一段落したら,多少仕事のペースを落として勉強に励みたいと思うのですが…。とか書いたらやぶ蛇かもしれないけど。
大学は,法人統合の議論があり,これからどうなるのかよくわからない上に,自分(たち)の生活とも大きく関わる問題が出てきて,ちょっと困ったなあ,というところです。しかし明るい話題もあります。今年度から「政治学」に稗田健志さんをお迎えすることができました。政治学関係者の方は言うまでもなくはご存知だと思いますが,福祉国家研究のまさに気鋭の研究者で,近いうちに博士論文を発展させた英語のご著書を公刊予定で,その内の一部がSocial Policy and Administrationに掲載されたりもしてます。
よく考えると,稗田さんのほかにも,創造都市研究科の近藤正基先生はドイツの福祉国家に関連する優れた研究者ですし,僕も一応日本の福祉国家みたいな研究を細々と続けてるわけですから,30代中頃で(こういう表現を使うのか…)福祉国家の研究をしてる若手が集まっているといえばそうかなと(3人ですが)。福祉国家の研究で学振のポスドクを考えてる人なんかはぜひご相談ください(僕じゃないでしょうが)。
ちなみに,昨日稗田さんと話をしていたのですが,最近福祉国家研究で博論を出版するのが続々と続いているようです(ミネルヴァ書房多し)。ちょっと前に「博論が就職の前提条件」になりつつあるとかいう話が出てたわけですが,ひょっとして「出版が前提」へと移行してるとしたらそれは怖すぎますが…。しかし,政治史の一部ではそういう傾向がないわけでもないようですし,厳しい限り。出版してから就職,となると,30くらいで就職しようとすると結婚・出産というライフステージをこなしていくのがホントに大変(というかほとんど無理)になるわけで,「完全個人競争ネオリベ的経営」(by 與那覇さん)なのかもしれませんが,ちょっといろいろ見なおした方がいいのではないかと思ったり。

現代ドイツ福祉国家の政治経済学 (シリーズ・現代の福祉国家)

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福祉国家再編の政治学的分析―オーストラリアを事例として

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家族主義福祉レジームの再編とジェンダー政治 (シリーズ・現代の福祉国家)

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