海外出版

同僚の稗田健志先生からPolitical Institutions and Elderly Care Policy: Comparative Politics of Long-Term Care in Advanced Democraciesをいただいておりました。だいぶ前に自分でも買っていて、最近にもかかわらずいただいたことをすっかり忘れていたのですが(苦笑:すみません)、田村先生のウェブサイトを見て思い出しました。内容は、各国の高齢者介護政策が政党内の組織構造や政党システムのあり方に規定されるとするもので、それらを規定する選挙制度(個人投票が重要な選挙制度かどうか)、あるいは一党優位制や連邦制(中央−周辺関係の効果)といった制度的変数の効果を分析するものになっています。OECD諸国を対象とした計量分析に加えて、日米瑞の事例を比較研究した、最近の比較政治学のスタンダードとも言える方法を採っているもので、一部はSocial policy & administrationにも掲載されています。出版後も引き続き優れた研究業績を出されている尊敬できる同僚であり、非常に刺激をいただいています。

Political Institutions and Elderly Care Policy: Comparative Politics of Long-Term Care in Advanced Democracies

Political Institutions and Elderly Care Policy: Comparative Politics of Long-Term Care in Advanced Democracies

今年は他にも早稲田の日野愛郎先生、立命館の佐々田博教先生と、年齢の近い方々が海外の出版社から単著を出されることが続いていて、非常に刺激になります。僕の方は英語できちんとしたものを出版するまではまだちょっと遠い感じはしますが、ちょっとずつでもそういう研究を積み重ねていきたいなあ、と思うところです。まあ願望だけではダメなので、日々の努力を。
New Challenger Parties in Western Europe: A Comparative Analysis (Routledge Research in Comparative Politics)

New Challenger Parties in Western Europe: A Comparative Analysis (Routledge Research in Comparative Politics)

このところブログにいただきものを整理していなかったのですが、最近以下の本をいただきました。
まず『野中広務』回顧録。御厨貴先生・牧原出先生をはじめとするオーラルヒストリープロジェクトの成果です。
聞き書 野中広務回顧録

聞き書 野中広務回顧録

『国家をめぐるガバナンス論の現在』は、日本大学法学部政経研究所による共同研究プロジェクトの成果とのことです。「国家をめぐる」とありますが、福祉や地方自治等のトピックも多い含まれています。「ガバナンス論」も10年以上経ち、かなり実証的な研究との関連も深まってきたということなのかと思います。
国家をめぐるガバナンス論の現在

国家をめぐるガバナンス論の現在

もうひとつ、『政治学』を著者の先生方から頂きました。佐々木毅門下の先生方がまとめられた非常に読みやすい教科書です。佐々木先生の教科書といえば新版が出るという『政治学講義』は非常に面白い教科書であるものの、なかなか敷居が高いわけですが、まずこちらの方から入るというのもよいのかもしれません。
政治学

政治学