解散するのか…?

年内解散がしばしば報道されるようになり、総理が16日解散と言ったという話になっているが、ここで解散するとしたら、民主党政権交代で民主主義の可能性を見せつけて、解散でその可能性を否定しようとしているようにも見える。独立した司法の強い要請を無視する立法府っていうのは、国権の最高機関が行うべき自己抑制を全く理解していないとしか思えない。
(念のため追記)まるでアリバイのように一日で選挙制度改革法案を両院で通し、区割り審がはっきりと形骸的なものであると見せつけ、全く周知期間を置かずに選挙を実施するというのは*1、単に最高裁=司法を馬鹿にしているだけであって、これをもって司法の要請に答えたという政治家は、(権力分立を重要視する民主主義国家において最も重いテーマでこういう行動に出るのだから)他の案件でも同じようなことをするだろう。解散するべきだ、とか言ってる政治家たちが、地方の首長たちに向かって「ポピュリスト」だとかいって喚いてるのはちゃんちゃらおかしいとしか言いようがない。というか、そこにまさに「ポピュリスト」が付け入る隙をつくることになるんじゃないか。

最高裁は近時、参議院にせよ、衆議院にせよ、現行の定数配分が投票権の不平等をもたらしていることを十分に意識し、国会がこれを早急に是正する必要があるとのメッセージを発し続けている。それにも拘らず問題の根本を理解し、然るべき行動を取らない国会の不作為に対して、いわば我慢に我慢を重ねている。Xデーが来るのは、恐らくは、選挙を無効としたときもたらされる理論的実際的混乱につき、もはや最高裁は一切の責任を負うことができず、一重に立法府が責任を負うべきである、との判断に多数の裁判官が達したときであろう。そしてその日は、国会の現状がこのまま続く限り、さほど先のことではないかもしれない。(藤田 2012:115)

最高裁回想録 --学者判事の七年半

最高裁回想録 --学者判事の七年半

*1:ここは事実の確定前に書いたので、実際そういうことすらしない、という事実誤認があることにご注意ください。詳細はコメント欄を。