バンクーバーの車事情

大学にはバスで通っているので車は持っていないのですが,荷物を運ぶ時などたまに車が欲しいと思うときがあります。まあまだレンタカーも使ったことがないのですが,練習がてらバンクーバー(をはじめ北米)で普及しているカーシェアを使ってみました。僕が使ったのはcar2goというダイムラーがやっているサービスで,基本的にはメルセデスが作ってるsmartという二人乗りの車を使うものです。登録したあとは,スマートフォンを使って車の開錠や使用終了を伝えるというものですが,バンクーバーの場合,この車が適当に路駐してあって,それに乗って自分が好きな場所に移動して路駐するという感じになってます。まあカーシェアというより自転車シェアみたいなもんですね。ただsmartは二人乗りなんで,家族みんなで動くときには使えないわけですが。もう少し多くで使う場合にはEvoとかZIPCARというサービスがあるようですが,こちらのほうは決まった駐車場を使わないといけないとかもうちょいハードル高いみたいですね。

バンクーバー市内に住んでいるので,基本的にはバス,たまに電車(Skytrain),でさらに稀に車,という感じなわけですが,これが市外に出るともう圧倒的に車という感じになるようです。郊外に連れていっていただいたときにお話を聞いたりすると,バンクーバーの郊外にあるリッチモンド,バーナビー,ニューウェストミンスター,コキットラム,ポートムーディー,サレーなどといった自治体から多くの人が来るまで通勤をしているようです。そのために特に朝の通勤ラッシュは結構ひどいもんだと。で,その対応としては電車の延長ということで,リッチモンドのほうはずいぶん電車が伸びていますし(カナダライン),バーナビーやコキットラムについてもある程度スカイトレインが出ています。そして12月に入ってからはポートムーディーの方に行く新しい線(Evergreen)ができるとか。この10年の戦略では,サレーの方につながる路線を出すなど,これから増える可能性はあるようです。
このあたりの郊外を見ると,特に駅の近くは基本的に集合住宅なんですよね。計画としてはそういった集合住宅を増やしてこれから100万人近くでも人口を増やすことを考えているとか。だいたいバンクーバーの広域都市圏(Metro Vancouver)で250万くらいいるので,3割くらいの増加になります。他方で,バンクーバー市内については人口が60万くらいで,しかも一戸建てが圧倒的に多くて住宅不足に悩んでいると。そこで周辺の自治体と電車でつなぐかたちで人口増に対応するということになると,まあ今更ながらどっかで聞いたことがあるような話のような気がします。大阪の経験を思い起こすと,問題はどこまで住宅地を増やすかということと,都心の空洞化を防げるのかということでしょうか。前者については土地規制が厳しいのでやればできなくもなさそうですが,後者は簡単じゃないかもしれません。住宅価格の高いバンクーバーから郊外に人が流出して,今度は都心に人が来なくなると…ということですが,まあ今でもモータリゼーションが進んでショッピングモールだらけなわけですから,そこは日本とはやや問題のタイプが違うのかもしれません。観光都市(というと言い方悪いですが)としてのバンクーバーのブランドをどの程度維持できるか,というところにかかっているような気はしますが。