北米だとクリスマス前にはもう完全にホリデーシーズンになるんですねえ。最後の一週間は一応仕事でオフィスに行ってたものの,僕以外にはほとんど人がいないような状態で季節を感じました。まあそうは言っても自分の部屋から出たりするわけじゃないので,何にも変わらないわけですが。
暮らしはじめて4か月ほどですが,基本的には快適なところで日本人の移住者が多いのはよくわかります。いろんなことが割とストレスなくできるというか。英語の問題も関連するのでしょうが,感じるのは人件費,人を動かすコストの高さということで,日本ほどにスムーズには物事が進まないようには思います。この年末ツイッターなどでよく見かけた「日本の生産性が低い」という話なんでしょうが,もっとお金を取ってもよいようなサービスなのに,安すぎるので生産性が非常に低いように見えると*1。こちらでは「生産性の高い」人たちに働いてもらうのはなかなか大変なので,それを埋めるようなある種の「好意」がないとほんとにコストが高くなってしまう。その辺がボランティアの強調ともつながってるような気がすると思います。別に悪く言うつもりはありませんが。
今年は在外研究に来たこともあって個人的にもこの問題をよく考えました。そのときによく参照していた議論は,松沢裕作さんの『明治地方自治体制の起源』です。地方政治の話に限らず,市場に依拠した福祉のようなものを成り立たせるために犠牲にしてるものは何だろうか,また,それは持続可能なものなんだろうか,というような話を考えるべきなんでしょう。このあたり,メンバー的にきっと準備されてるご共著(→坂井豊貴先生のページ)で議論されるんじゃないかと思って勝手に期待しています。違うような話だったらすみません。ということで,今年の僕のお勧めの本は松沢さんの『自由民権運動』にしたいと思います。
- 作者: 松沢裕作
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今年の仕事は,『アステイオン』に論文を書いたのと,来年出版予定の某公共政策教科書に3章分書いたこと,それから子育て支援と市町村合併の住民投票についてそれぞれ一本ずつ本の一章を書いたこと,そしてミネルヴァ書房の『究』に住宅の連載を毎月止めずになんとかやってたこと*2が中心でしょうか。上記二冊に加えてもう一冊震災本への寄稿もあるので,単著と住宅の話がちゃんと来年中に出版されるとすると,2017年の研究業績は割と多くなりそうです。今年は『縮小都市の政治学』『大震災復興過程の比較政策分析』『アステイオン』以外はコラムっぽいものが中心だったので,少しねじを巻きなおすことができた年とは言えるのかもしれません。,次はこれまでに書いてきた自治体再編の話を中心にした単著を考えたいので,うまく出版ができれば来年はそのためのインプットを始めたいところです。
- 作者: 加茂利男,?久恭子
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大震災復興過程の政策比較分析:関東、阪神・淡路、東日本の三大震災の検証 (検証・防災と復興)
- 作者: 五百旗頭真,御厨貴
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- 作者: 山本龍彦,出口雄一,清水唯一朗
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- 作者: 岩波新書編集部
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