二つの政権交代

竹中治堅先生が編者としてまとめた『二つの政権交代』が出版されました。私は,「子育て支援政策」について書いています。本書全体としては,民主党政権から自民党政権(第二次安倍政権)への連続性が強いということがメッセージとなっていると思いますが,実は私のところはちょっと違ってて,どちらかというと子育て支援政策における自民党政権民主党政権の(結果的な)連続性を強調しつつ,その主要部分が再政権交代後の自民党政権(第二次安倍政権)にも引き継がれているものの,民主党が苦しい中で強調した幼保一体化については断絶しているということを議論しています。子ども手当に象徴されるように,民主党は当初子育て支援について非常に包括的な改革を掲げてはいたのですが,それが行き詰っていく中で次第に現物給付に重点を置くようになり,保育サービスの「市場化」を意識しながら幼保一体化を強調するようになっていったという話です。もともとは幼稚園と保育所の重なりや,1980年代頃の育児休業制度や配偶者控除などの議論からスタートしていたのですが,それでは長すぎるということと,本書自体が基本的に2001年を起点にするということで,そのあたりはカットとなりました。しかしまあ子育て支援というと,本来はそのあたりから考える必要があると思われるので,いずれ何らかの形で発表できればよいかなと思います。
他の共著のみなさんは,まさにご専門で論文を書かれてきたところで,それぞれの論文が非常に読み応えのあるものになっていると思います*1。それだけではなく,各章の議論を踏まえて竹中先生が序章と結章を書いて問題提起をしているところが特徴だと思います。論文集だと,バラバラに論文が並べられることが少なくないわけですが,本書の場合は最終的にまとめることになった竹中先生によるエディターシップも発揮されていて,まとまったものとして読めるのではないかと。なお,あとがきにも書かれているように,担当した編集者は『変貌する日本政治』『「政治主導」の教訓』と同じ方でして,なんとなく問題意識がつながっているところがあるわけですが,実は私だけ三作連続での登場となっておりまして,個人的にも思い入れのある本となりました。

二つの政権交代: 政策は変わったのか

二つの政権交代: 政策は変わったのか

「政治主導」の教訓: 政権交代は何をもたらしたのか

「政治主導」の教訓: 政権交代は何をもたらしたのか

*1:たぶん初めてに近いかたちで書いてるのは,竹中先生(コーポレートガバナンス)と私(子育て支援)くらいでしょうか。