『公共政策』

本日付だと思うのですが,分担執筆しました『公共政策』の教科書が刊行されました。編著者である御厨貴先生のほか,片山善博先生・増田寛也先生というお二人の知事・総務大臣経験者に加えて,手塚洋輔さんと私で書いてます。この教科書を使った放送大学の「公共政策」のラジオでの講義が,2017年度から始まることになってまして,私も声だけお邪魔します。正直一回目については緊張しまくってちょっとひどい収録だったんですが(泣)。
一応手塚さんと私の二人が「理論編」のようなところを分担して担当しており,私はそのうち「公共政策と統計」「公共政策の手法(1)−政府の介入」「公共政策の手法(2)−市場をつくる」というところを書いています。あとの二つについては,まあ行政学の授業でもそれなりに時間をかけてやっているところで,たとえば保育の話などと絡めてそれなりに親しみがあるものなのですが,一つ目については自分で書こうといったものの,あまり似たようなトピックを扱う教科書がなくて苦労しました…*1。国家(あるいは協会など)が管理のために統計を取っていたというCensusの話から始めて,実際に統計の数字を扱うことがどのような困難を抱えているか,そして最近統計調査が難しくなる中で,人々の行動を記録するかたちの統計が改めてクローズアップされていること,そこからビッグデータの話やそれを国家ではなく企業が作成していることに関わる問題などを書いてます。多岐にわたっていて一つ一つやや浅い話かもしれませんが,個人的にはこの章が一番気に入っております(苦労したので)。

公共政策 (放送大学大学院教材)

公共政策 (放送大学大学院教材)

*1:個人的には,William Alonso and Paul Starr, 1987, The Politics of Numbers が面白かったし参考になりました。

The Politics of Numbers (Russell Sage Foundation Census)

The Politics of Numbers (Russell Sage Foundation Census)