災害に立ち向かう自治体間連携−東日本大震災にみる協力的ガバナンスの実態

大西裕先生が編集された本が発売になります。ひょうご震災21世紀記念機構で実施された科学研究費助成事業の成果となっています。私は,大阪大学大学院の小林悠太さんと共著で「災害対応をめぐる行政組織の編成―内閣府兵庫県の人事データから」という章を寄稿しています。書いている人は,関西大学の永松先生を別として,基本的には政治学行政学を研究している人たちで,必ずしも防災や災害の話に元から通じていたとは言えないと思いますが,もともとの専門から理解可能な関西広域連合やその他の広域連携という観点から東日本大震災への対応を(再)検討するという造りになっています。国際比較も含めながら*1,災害に対して行政組織がどう設計されてきたか,どう設計するかを考えるということが主要な関心になっていると言えるのではないでしょうか。私のところは現在進行形の災害対策関係の人事データを扱っているところで,直近の状況を改めて見るとやや微妙だな…と思うところもありますが,そんな変化が見えるのは,この分野が政治化しつつあることの影響なのかもしれません。

*1:私もこの調査でワシントンと台湾に行きました。