現代日本の地政学ほか

11月はバタバタしているうちに終わってしまい,久しぶりに記事を一つも書かない月になってしまいました(記録を見ると2010年9月以来とか…まあどうでもいいのですが)。なんと10月27日にBC州の条例のエントリを書いた直後に,それに近い理由で立ち退きを求められることになり,家探しに奔走するという…おかげさまで無事に決まりましたが貴重な経験となりました。
この間いくつか本を頂いておりました。まず日本再建イニシアティブによる『現代日本の地政学−13のリスクと地経学の時代』をカナダにまで送っていただきました。ありがとうございます。このテーマについては私は素人ですが,関連するシンポジウムの準備をちょっとお手伝いすることがあり,内容が非常に参考になりました。安全保障の問題を中心に,ずらっと専門家をそろえて重要な問題がわかりやすく解説されているので,ぜひ多くの方に読んでいただきたい本だと思いました。

現代日本の地政学 - 13のリスクと地経学の時代 (中公新書)

現代日本の地政学 - 13のリスクと地経学の時代 (中公新書)

その他,大学あてにいくつかの本を送っていただきました。まず笹部真理子先生から,『「自民党型政治」の形成・確立・展開』を頂きました。ありがとうございます。本書は地方における自民党の政党組織を歴史的に分析したもので,学習院大学に提出した博士論文が基になっています。笹部さんとは以前に建林先生の科研費プロジェクトでご一緒し,その成果の一部が『政党組織の政治学』で発表されていますが,この成果を発展させたものだということだと思います。
政党組織の政治学

政党組織の政治学

中央大学の磯崎初仁先生からは,『知事と権力―神奈川から拓く自治体政権の可能性』を頂きました。ありがとうございます。松沢知事時代の神奈川県政を事例として,自治体におけるマニフェストを軸とした政策的な統合について検討されているようです。松沢知事時代には,本書でも取り上げられている受動喫煙対策や,他の都道府県とは少し毛色の異なる水源環境税の導入など,興味深い政策がいくつか実現していて,本書ではそのような政策の背景を探ることができると思います。
知事と権力―神奈川から拓く自治体政権の可能性

知事と権力―神奈川から拓く自治体政権の可能性