仕事納め

12月もあと一週間ちょっとを残すほどとなり,オフィスにはもう僕以外ほとんど誰もいなくなってしまいました…。やはりカナダではクリスマスが祝日でそれから休みということになるので基本的には仕事納めということです。まあ普通は1月の頭すぐに授業が始まったりするのですが,今年の場合はカレンダーの並びからか,少なくとも小学校は新年一週間ほど休みということになっているらしく,これから二週間は子どもの相手でほとんど仕事にならない日々ということになりそうです。
今年は生まれて初めてまるまる一年間を日本以外の土地で過ごしたことになります。僕だけ一回だけ9月に一週間ほど帰国しましたが,少なくとも家族は。通信環境の発展のおかげで,どうしても日本からの仕事が降ってくる一方,アドバイザーのイブ先生がサバティカルで授業に出ることもないので,なんだか長いことホテルに滞在してひたすらモノを書いてるような感じもあります。結局今年書いたのは,『分裂と統合の日本政治』と,『公共選択』に発表した論文を一つ,それから住宅の連載を終わらせて単行本の初稿(あとは終章だけ)ということになります。『分裂と統合の日本政治』に対しては,ありがたいことに大佛次郎論壇賞を頂くこともできました。それから,これまで書いてきたインドネシア子育て支援住民投票の論文(バラバラ…(泣))を英語で書き直して論文にしました。ひとつはリジェクト食らって検討中,あとの二つは学会報告をした後修正する時間が取れずに置いている状態になってます。まあ本の原稿をあげたら何とか修正を,というところでしょうか。あと寄稿ものとして中央公論と経済教室に,書評を3つくらい書いたかな。もうひとつ地方議会関係のプロジェクトを進めたものの,データをいろいろ見てもやや微妙でなかなか進まない,というものもありました。その他昨年のうちに書いていて,今年発表されたものとしては,年明けから『二つの政権交代』『公共政策』(教科書の3章)『災害に立ち向かう自治体間連携』がありました。

二つの政権交代: 政策は変わったのか

二つの政権交代: 政策は変わったのか

公共政策 (放送大学大学院教材)

公共政策 (放送大学大学院教材)

こうやって振り返ってみると,新しいことに着手するというよりは,(住宅の話も含めて)この数年考えてきたことをまとめることに専念した一年だったような気がします。おそらくこういう年は必要なのでしょう。ただやはりもう少し新しいことに挑戦する時間を取りたいなという気はします。日本に帰国するまでにあと三本ほど論文を考えないといけないのですが,そのうち一本は従来の延長のものとして,あと二本は少し新しい試みができればよいのかな,というようなイメージでしょうか(ただ三本となるとやはり授業は難しい…)。ひたすら何かを書いていたということもあって,例年のように専門分野の少し異なる最近の研究をじっくり読むということもあまりなかったのですが,今年面白かったのは『昭和解体』ですかね。視点も事実もある程度で尽くしてきたかなあと思ってた国鉄民営化ですが,まだこれだけのことが書けるのだ,と驚きつつ一気に読むことができました。あと似たようなノンフィクションで『東芝の悲劇』も面白かったところです(ノンフィクションは電子化が早いしあんまり高くないので趣味でも買いやすいという…)。
昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

東芝の悲劇

東芝の悲劇