最近のいただきもの

しばらく頂いた論文集や共著の書籍などをご紹介できていなかったのですが,以前のものも含めて簡単に最近の書籍を。

大阪市立大学の野田昌吾先生に『ポピュリズムという挑戦』を頂きました。ありがとうございます。ヨーロッパ各国におけるポピュリズム政党を巡る事情が論じられています(野田先生はドイツ)。今年は自分自身も少人数授業でポピュリズムを扱うので勉強させて頂きたいと思います。 

東京大学の宍戸常寿先生に『デジタル・デモクラシーがやってくる!』を頂きました。副題がラノベみたいでビビりますが(すみません表現パクりました), 中身は日本を代表する憲法学者政治学者がデジタル・デモクラシーのキーパーソンにインタビューしていくという興味深いものです。メディア・政党→熟議→制度,という展開に本書のスタンスがあるような気がします。 

御厨貴先生から『天皇退位 何が論じられたのか』を頂きました。有識者会議の座長代理を務められた御厨先生が,2016年7月から2019年末までに様々に論じられてきた天皇に関する論考を,新聞・雑誌からラジオの書き起こしやブログと色々集め一冊の書籍にされたものです。本当に色々な人が色々なことを書いてますが,それぞれについて御厨先生が書かれているコメントも非常に興味深いものではないかと思います。 

 著者の皆さまから『新しい地政学』を頂きました。帯にも書いてるようにほんとにご活躍されてるメンバーで「地政学」をキーワードに新たな国際秩序について構想する内容ですが,キーワードから自由に展開するというより,安全保障・経済・紛争解決などの<理論>,人権・国際協力という<規範・制度>,ロシア・アフリカ・中東という<地域>から考えるというスタイルです。さらに,収録されている論文がこういった共著の書籍にしては非常に長く骨太なものになっていることも特徴かと思います。

新しい地政学

新しい地政学

  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: 単行本
 

 大阪大学の瀧口剛先生から『近現代東アジアの地域秩序と日本』を頂きました。本書は大阪大学で政治史を研究する人たちを中心として編まれた論文集です。最近では何でもコロナウイルスの話になってしまいますが,感染症が広がる中で,経済環境だけではなくて地域的安全保障の環境にも変化が出てくるようにも思います。そういった時代には,これまでに議論されてきた地域秩序の構想について勉強する必要も増してくるかもしれません。

近現代東アジアの地域秩序と日本

近現代東アジアの地域秩序と日本

  • 作者:瀧口剛
  • 発売日: 2020/03/06
  • メディア: 単行本
 

最後に,関西学院大学の宗前清貞先生から『政策と地域』を頂きました。 宗前先生が担当された部分では,最近出版された『日本医療の近代史』よりさらに地方政府による公衆衛生や保健などに注目されていて,まさに喫緊の「地域」の課題に関連する内容かと思います。他の章でも,防災・消防・移民・町並み保存・清掃・エネルギー・ダム事業という地域性の高い公共政策が扱われていますが,とらえどころのない政策というものを地域に注目することで括り出してみる試みとしても興味深いな,と感じます。 

政策と地域 (これからの公共政策学 4)

政策と地域 (これからの公共政策学 4)

  • 発売日: 2020/04/08
  • メディア: 単行本