2010-01-01から1年間の記事一覧

今年の○冊

もう2010年も暮れようとしていて,最近はTwitterに押されつつあるブログ界隈でも,いろいろと「今年の○冊」という紹介が多くて,興味深く読んでいるところです。僕も「今年の○冊」をやろうかなぁ,とも思ったのですが,読んでる本の範囲があまりに狭すぎて面…

公共政策学の基礎/連邦制入門

著者の先生方から頂きました。ありがとうございます。僕自身は講義の経験ないですが,しばしば公共政策学(論)を講義するとき,政策過程に関する知識と政策そのものについての知識の区別が難しいと言われることが多いです。この点について,この本では,ア…

公共経済学

著者の先生方に頂きました。どうもありがとうございます。公共経済学の教科書というと,中央政府レベルでの議論が多いという印象があったのですが,この本は,著者の先生方が地方財政や社会保障の分野に精通されていることもあり,その辺りの分野が多めの記…

大阪都と中京都,関連報道大づかみ

愛知県知事選挙に立候補するという大村秀章氏が,出馬会見で「中京都構想」を公約にすることを発表し,その盟友であるとされる河村たかし名古屋市長も,中京都構想への賛意を表明したという報道が流れている。現在のところ中身についてはよく分からないが,…

地方選挙制度改革

少し前に総務省の地方行財政検討会議で,「地方自治法の抜本見直し」に関する意見募集というのをやっているのを見ていて,いやー,やっぱりそれほど数が多くない地方政治の研究者としては何か書かないといけないかなぁ,と悶々と過ごしておりました。とはい…

宣伝

約一月前になってしまうのですが,以前にNHKで放送された「再生の町」の菱田信也さんによるノベライズがTAC出版から出版され,大学院時代の先輩が編集をされているご縁で,その解説を書かせていただきました。またこのブログみたいに「硬いよ」と言われてご…

いただきもの

『政権交代選挙の政治学』を香川大学の堤英敬先生と立命館大学の森道哉先生に頂きました。ありがとうございます。地方政治も含めた個別選挙区の事情に留意しながら2009年の政権交代選挙の全容を描き出す,という試みは非常に興味深く,自分の研究にもつなが…

インドネシアの地方自治2

今年の1月に引き続き,二度目のインドネシア調査へ。前回は中央政府を中心にヒアリングを行ったが,今回は基本的にジャカルタ近郊の地方自治体でヒアリング。様々な話を聞く機会があり,調査グループとして非常に有益だったが,それに加えて今回は個人的に日…

いただきもの

河村和徳先生に,『市町村合併をめぐる政治意識と地方選挙』を頂きました。ありがとうございます。 合併ネタは,本当に事例が多様で読んでいてあきないところです。これからたくさんの研究が出ることになると思いますが(僕もやるかもしれませんし),そのキ…

金融政策?財政政策?

上川さんの本の感想で,一つ目の問い,つまり「小泉政権における景気回復は,供給面を重視し需要面を軽視した経済政策によって実現されたものなのか」というのはよく解らなくて経済学者の仕事なのかと書いていたわけですが,日本銀行が追加的な金融の緩和を…

いただきもの

結構前になりますが,上川龍之進先生から,『小泉改革の政治学』を頂いておりました。ありがとうございます。本書では,小泉改革の時代において,「マクロ」の構造改革が進展する一方で,「ミクロ」の構造改革は進んでいないという問題意識のベースにした議…

病院ビジネス

実に久しぶりの更新。結局9月は一回も更新できなかった…のですが,その間日本政治学会の論文の執筆と,来年に予定されている博士論文をもとにした著書の準備を中心に行っておりました。夏休みといって決して仕事をしてなかったわけではないので(汗)そちら…

いただきもの

御厨貴先生から『権力の館を歩く』を頂きました。ありがとうございます。毎日新聞の連載をまとめられたもので,連載中からいつか本になるのかと楽しみにしていたものです。 最近の社会学での「環境管理型権力」の議論とか,アーキテクチャへの注目にもあるよ…

医療保険制度改革

民主党政権になってから,後期高齢者医療制度がよろしくないということで,高齢者医療制度改革会議という会議が発足し,22年末の取りまとめ→23年1月に法案提出,というスケジュール感で進められているところでしたが,この程中間とりまとめというものがでる…

補選・その後

大阪府・大阪市関連の動きはとても早い上に,ニュースの量も割と多いので,追っかけるのはなかなか大変なところ。おそらくこのあたりが東京のメディアでは「橋下知事が何かやってる」とは思うものの,具体的な内容についてはほとんど議論されていないことの…

参院選・大阪市議補選

参院選は与党敗北。投票率は雨もあったのか,最終的にはそれほど伸びなかった気がする。結果については参議院特有の歪な選挙制度があまりにも効きすぎたということだろう。この点については,菅原さんが議論されている通り,「「一票の格差」がもたらす選挙…

連立野党

別に選挙期間中で自粛してたわけじゃないんですが,やっぱり直近でやらないといけないことが増えるとブログもTwitterも難しくなってしまう。で,参院選ですが,新聞では世論調査をもとに終盤情勢を出しているようです。全部を細かく見たわけではありませんが…

続・地域主権改革大綱

久しぶりに連投。引き続き地域主権改革大綱について。一括交付金以外はそれほど注目されていないような気もしますが,実は非常に興味深いのは8番目に上げられている「地方政府基本法の制定(地方自治法の抜本見直し)」のところではないかと思われます。「大…

地域主権改革大綱

先送りする,という話も出ていたものの,結局地域主権戦略会議では,「地域主権改革大綱」を取りまとめたとのこと。経緯については,松井望先生の一連の観察を見て頂きたいところですが,マスコミ等で話題になったのは,例の「一括交付金」の話。例えば時事…

ネットと政策過程

僕は一応政治学の中でも政策過程論というのにも関心を持ちつつ研究していることになっていると思うわけですが,最近のソーシャルメディアの発展は,この政策過程論についても刷新を求めているような気がする。ブログやTwitterは,単に政策過程に一定の透明性…

知事とメディア

ずっと地方分権改革推進委員会を観察してきたこのブログも,最近は大阪府政・大阪市政を観察することがほとんど。そういうこともあって前にちらっと読んでた橋下知事についての本を改めて読んでみた。橋下徹研究作者: 産経新聞大阪本社社会部取材班出版社/メ…

大阪市会における政党移動

やはりある種の政党移動が始まっているらしい。ある種の,というのは「大阪維新の会」が「政党」ということになっているかよくわからないうえに,最終的に1〜2年で自民党の元の鞘に収まるという可能性が全くないわけでもないから,ということなのだけど,ま…

道路

自分に男の子ができてから,周りの方々に,だいたい電車か車のどっちかを好きになるから,とは言われているものの,僕自身はどっちもそれほど好きではないのでどうなるんだろうと思うところ。最近,じゃあ自分は何が好きなんだろう,と考えていると,電車や…

大阪都と東京府

5月25日の大阪市会福島区補選で,大阪維新の会が勝利を収めたことがあり,橋下知事が主張する「大阪都構想」は非常な注目を集めることになってます。そのために最近は,ネット上でも「都構想」に関するいろいろな議論を観るわけですが,その中でも関心を持っ…

一括交付金

「5月末」を予告した普天間が迷走しており,今国会の目玉のひとつでもあった「地域主権改革」関連法案も厳しい状況になっていて,もはや民主党政権が「地域主権改革」をできるのかについては暗雲がたれこめているようです。しかし,一応地域主権戦略会議も地…

大阪市議・補選

週末の行政学会は一応無事に報告が終了。終わってみるともう少しいろいろとやりようがあると反省するところは多い。特に最近の制度論と医療保険制度というヤヤコシイ話を二ついっぺんに持ってきてるわけだから,行政学会での報告ということを念頭において事…

市長の政党

話題としては少し前のことになるが,新しい「首長グループ」の話。 三重選挙区で候補者擁立目指す 山中松阪市長ら準備会合 【東京】山中光茂松阪市長らが発起人となり、子ども手当などに異論を唱える首長グループ「現場から国を変える首長の会」が一日夜、東…

いただきもの

少し前にいただいていたのですが,お礼が遅くなりました。神戸学院大学の南島先生と法政大学の西山先生に頂きました。いつもありがとうございます。「評価」についてはこの15年くらい熱心な議論が行われてきましたが(僕も論文書いたことありますし(^^;)),…

地域主権戦略会議(第3回・第4回)

地域主権戦略会議第4回の議事要旨が発表されたのでチェック。しかし率直にいって議事要旨では議論の内容はよくわからない。特に問題だと思われるのは,資料の説明がどうなってるのかよくわからないところ。第4回の場合で言えば,資料1(神野議員提出資料)と…

大阪維新の会(5/15追記)

[研究][地方政治]橋下新党の追記として書こうと思ったが,調べ始めると分量が多くなってきたので独立のエントリに。橋下新党=「大阪維新の会」についての報道があった後,まあそのとおり橋下知事を代表として「大阪維新の会」が発足し,大阪府議会で24人(…