規制緩和と市場構造の変化 など

最近,もはや月記と化していて,しかもいただきものくらいしか書いてないわけですが…。まず,深谷健先生に『規制緩和と市場構造の変化』をいただきました。東京大学に提出された博士論文をベースにしたものとなっています。昨年の和田先生の本もそうですが,規制改革が本格化してそろそろ20年。やはり規制改革について,博士論文のテーマとして分析されることが増えているのではないかと思います。すぐに思いつくところでは,戸矢先生(金融),秋吉先生(航空),和田先生(通信・金融)という感じでしょうか*1。本書では,航空・石油・通信セクターということで,目新しいところでは石油セクターということになるのではないかと思います。まだ読み始めてすらいないのですが,そのうちにゆっくりと読ませて頂きたいと思っております。

次に,山谷清志先生に『政策評価』をいただきました。日本での政策評価の研究が始まった時期からその先頭でご研究されてきた山谷先生が,これまでに書かれてきた2冊の「完結編」ということで上梓されているとのことです。僕自身は修士論文のときに「行政評価」について考えることがあったのですが,それ以来その議論から遠ざかっているところがあり(一応問題意識は一貫しているつもりなのですが),改めて勉強させて頂きたいところです。
政策評価 (BASIC公共政策学)

政策評価 (BASIC公共政策学)

最後に,浅羽祐樹先生から,翻訳された『民主化以後の韓国民主主義』をいただきました。ありがとうございます。政党に注目しながら民主化への移行とそれ以後の韓国政治を通史的に検討しているところもあるようで,日本という比較という観点からも興味深いところです。前から浅羽先生にTwitterなどで教えていただいていたところですが,地域政党の話などについても,韓国と日本との比較で面白そうな論点もあるようですし,楽しみに読ませて頂きます。
民主化以後の韓国民主主義――起源と危機

民主化以後の韓国民主主義――起源と危機

*1:これまでの研究は,基本的に規制緩和の過程についての研究だったわけですが,これからはその効果についての分析も増えるんでしょうね。

公共政策の変容と政策科学―日米航空輸送産業における2つの規制改革

公共政策の変容と政策科学―日米航空輸送産業における2つの規制改革