有斐閣から、青木栄一先生を編者として『現代官僚制の解剖II-調査から見た省庁再編25年後の官僚の意識と行動』を出版しました。私は第5章「危機は政府のデジタル化を進めたか?」を寄稿しています。前回のプロジェクトでもデジタル化の分析をしていたわけですが、その後今回のサーベイをする間にコロナ禍がありまして、そうすると「コロナ禍でデジタル化に対する官僚の意識は変わったか」ということを分析できるかと考え、危機がデジタル化を促進するということを論じる多くの先行研究をベースに、まあ基本的には同じようなモデルで分析して、前後比較をしようとしたものです。
個人的には驚きだったのですが、結果は、全体としてデジタル化は多少進む傾向にあるものの、それに対する意識のようなものはほとんど変わらない、というものでした。違いというと、外部の理解を重視するとか、効率を重視するという人が、少しICTによる業務負担の軽減を感じやすくなった、というくらいであり、業務量が多いと感じる人がICTでその負担を軽減できているようなことは見られない、というところです。社会の変化に合わせて一定のデジタル化は進んでいるものの、業務量の多さを何とかするようなデジタル化が特に進んだわけではない、ということでもあるでしょう。そういう働く人たちの求めに応じた改善がなされるには、より積極的なリーダーシップが必要なのかもしれません。







