デクシア

デクシアといえば,もともとフランスで地方自治体にお金を貸す公社(日本で言う公営企業金融公庫みたいな)だったものが民営化して,いつの間にかベルギーの銀行と合併して,地方自治体に対する融資業務では世界的に有数の銀行なわけです。まあ正確に言うとそれはデクシアSAという持ち株会社にぶら下がってるデクシア・クレディ・ローカルというところらしいですが。しかしそんな会社もサブプライムの影響を喰らうらしいです。

仏ベルギー系大手銀デクシアに公的資金 9800億円投入へ
欧州での金融不安が一段と拡大している。フランス、ベルギー、ルクセンブルクの欧州3カ国は30日、仏ベルギー系の大手銀行デクシアに対し、総額64億ユーロ(約9800億円)の公的資金を投入すると発表。週初に銀行株の急落に見舞われたアイルランドでも政府が銀行の預金と社債の保護策を発表した。
デクシアへの資本増強は、ベルギー政府と仏政府が30億ユーロずつ、ルクセンブルク政府が3億7600万ユーロそれぞれ実施する。株価急落などによる同行の信用リスクを押さえ込み、経営を立て直すのが狙いだ。
デクシアは自治体向け融資の世界最大手。日本にも進出済みで、複数の自治体に対し融資や債券保有の実績がある。破綻した米証券大手リーマン・ブラザーズ向けの債権額の多さなどを材料に同行株が売られ、29日だけで株価が3割弱下落していた。

自治体を中心に健全なところ(そして割とリターンの大きいところ)に貸してるのかなぁ,というイメージがあったのですが,リーマン向けの債券も大きいとのこと。まあちょっと前まではリーマンだって健全でリターンが大きいと思われていたわけですが。しかしデクシアに問題が出てきたら,デクシアが持ってる債券を投売りしちゃったりするんですかねぇ。だとすると確かにヨーロッパの地方自治体はかなり困りそうだし,日本の地方自治体の市場公募債だって持ってるかもしれないわけだから,いきなり流通利回りが上がって,調達コストに跳ね返るってことがなくもないのかもしれない。やや傍観者的ですが,自治体の国際化ってやっぱりお金みたいなところだとあっさりさっくり進むんだなぁ,と思ったりして。