研究
このたびミネルヴァ書房から『新築がお好きですか? 日本における住宅と政治』という本を上梓しました。何か研究書っぽくない変なタイトルですが*1,英語タイトルも同時に考えていて,そちらの方はNeophilia? Housing and Politics in Japan ということにな…
このたび千倉書房から『分裂と統合の日本政治』を上梓しました。『地方政府の民主主義』以来二冊目となる研究書ということになります。実証研究の部分である2章から7章までは,主に大阪市立大学に在籍していたときに書いたもので,それをまとめ直したものに…
在外研究でUBCに来てから始めたことのひとつに,住民投票の研究があります。ただまあ以前大阪都構想の研究をしてから一応興味があり,依頼を受けてこんな小文を書いてました。この中で,住民投票の類型として(1)国の法律で決められて法的拘束力を持つもの…
1月9日付けで記事を書かせていただきました。「大転換に備えよ」という4回シリーズで,それまでに書かれていたのが猪木武徳先生,白石隆先生,グレンハバード先生,というほんとにビッグネームの先生方がきて僕なので,蛇足の足のところ以外の何物でもありま…
バンクーバーの住宅に関して話題になっている二つの税,空き家税と外国人投資家への税についていくつか進展があったみたい。空き家税については議会がPublic consulatationにかけることを認めた,ということでボチボチ動き始めた感じ。基本的にはいわゆる二…
一戸建てを中心に住宅価格が急激に上がっているバンクーバーでは,ここにきていくつかの対策が取られている。まあ何よりも住宅供給しないといけないんだ,ということで,スカイトレインの駅中心に集合住宅を作っているというのもあるが,需要側のほうに効く…
バンクーバーは住宅が高い,という話は散々聞いているわけだが,実際にグラフで見ると結構驚く。Royal Bank of Canadaのレポートに示されているグラフを見ると,バンクーバーの住宅価格が2000年代後半以降,一戸建てが先導する形で上昇し,その上昇カーブが2…
このブログをご覧の方には既にご承知の方も多いかと思いますが,3月末で大阪大学法学研究科を退職し,4月1日付で神戸大学法学研究科に准教授として着任しました。大阪大学に在籍したのは2年半という短い期間になってしまい,先生方にはご迷惑をおかけしてし…
大阪市は出直し市長選挙で色々止まっているように見えるが、大阪府では非常に興味深い動きがある。それは、2015年統一地方選挙に向けた選挙区割の変更である。以前の記事でも書いたように、大阪府では2011年6月(前回統一地方選挙の直後、いわゆるダブル選挙…
橋下徹大阪市長の突然に辞任が話題になっており、これはまさに地方政治としてものを決める制度の様々な不備を明らかにしているところだと思われる。地方の選挙制度や「二元代表制」といったものの問題は別稿に譲るとして、とりあえず大阪都構想を検討する法…
政令市、現在の区を「総合区」に 役割強化で法改正へ 政令指定都市の行政区の役割を強化する地方自治法改正案の概要が19日、分かった。現在は窓口業務が中心の各区を「総合区」に格上げして予算編成や人事権の一部を持たせるほか、道府県と政令市の仕事の…
2010年から毎年年末にこのネタを書いてきてますが、2013年版今年の○冊を。2010年にこれを始めたのは、当時なぜか現代日本政治関係の博士論文が続々と出版されていて、それを紹介しようと思ったからです。最近減ったかな、と思ったのですが、やはり今年につい…
現在参議院で議論になっている特定秘密保護法案で、「第三者機関」の設置が議論になっている。法案の修正過程でその設置検討が付則に盛り込まれたということ。 特定秘密保護法案を担当する森雅子少子化相は2日の参院国家安全保障特別委員会で、行政機関の長…
ちょっと前に松沢裕作先生の『町村合併が生まれた日本近代』を読んだ。以下これに関連して考えたことをつらつらと備忘のため。本書については、実のところはじめは明治の大合併においてどのような町村合併が行われてきたのかを分析するものだと思ったんだけ…
宣伝ですが、『大阪−大都市は国家を超えるか』というタイトルで新著を刊行することになりました。ご存知のかたにはすぐにわかることですが、これは、御厨貴先生の『東京−首都は国家を超えるか』を承けて考えたもので、内容を比べられると赤面するしかありま…
懸案となっていた大阪市の水道事業が、大阪府との「統合」ではなく「民営化」というかたちで進むことになるらしい。読売新聞の「前途多難の水道事業民営化」という記事がよくまとまっているが、要するに水道事業に関する資産をすべて売却して民間企業が運営…
神戸市長選挙が終わり、総務省の行政局長経験者が副市長を経て市長になることになった。同じ日に行われた川崎市長選挙でも、比較的年若の総務省元官僚が立候補していて、ともに自公民の相乗りとして擁立され、前回選挙で次点だった候補と競うことになり、こ…
総務省の地財審(地方財政審議会)の報告書案が出るそうで、それに関してちょっと備忘のためのメモ。報道によれば*1消費増税にあわせて、市町村間の格差を縮めるために、法人住民税の一部を国がいったん集め、地方交付税として税収の少ない自治体に配りなお…
このブログをご覧の方には、既にご承知の方も多いかと思いますが、9月末で大阪市立大学法学研究科を退職し、10月1日付で大阪大学法学研究科に准教授として着任しました。4年半という短い期間でしたが、市大法学部の教職員・学生の皆さんには本当にお世話にな…
お盆の週は東京の妻実家に帰省(寄生!?)中。帰省のために夜中に飲み歩くこともなく、昼間は子どもを連れて出歩いてるのでまあそれなりに健康的な生活ではあるのだけども、子どもと一緒に夕食のあとすぐに寝てしまうことが多くなるのでこれは体に悪いような…
他の色々な方に習って、地方分権に絞って各政党のマニフェストを確認してみました。一応参議院の議席順に並べています。 民主党 地域主権改革 ●義務付け・枠付けの見直し、地方自治体への権限・財源移譲、一括交付金の復活、国の出先機関の原則廃止に取り組…
本書は、副題がSubnational Authoritarianism in Federal Democraciesとなっていて、まさにテーマはこの通り。主題であるBoundary Controlは、要するに地方で独占的な権力を持つ政府が、いかにして自分たちと他の政府(基本的に中央政府)との境界線をコント…
少し前に、杉並区で認可保育園に入れなかった幼児を持つ母親たちがデモを行った(いわゆる「保活デモ」)というニュースを見て、何らかのかたちでまとめておきたいと思いつつ、問題が多岐にわたりすぎるので全然進まないのだが、少し時間がとれたので一応現…
2013年度の予算が閣議決定されて、来年度の地方公務員の給与が削減されることになったようです。ツイッターでぼそぼそと呟いていたのですが、話が面倒で混乱しやすいので、こちらにまとめておこうと。私自身の生活にも影響はある可能性は高いですし(←変な表…
三回目になりますが、年末ということで今年の◯冊を。ええと念のためですが、あくまでも基本的には出版された博士論文をご紹介するのが趣旨なので、脱線して紹介する非−博士論文は別として、必ずしも一般に読みやすいオススメ本とはちょっと違うことをご承知…
12月16日の選挙結果は、自民党と公明党が合計で320議席を超える大勝となった。自民党総裁が、以前から「戦後レジームからの脱却」と言ったり、改憲志向が強いということが指摘されていたが、今回はまず憲法96条の改正に意欲を示しているということで、この点…
今回の選挙は、インターネット上の「選挙運動」をめぐって議論がさまざま出ているようですが、じゃあその選挙運動ってなんなの?というとあんまり中身が知られていないような気がします。というか、もともとその定義自体相当怪しいものがあります。 まず基本…
年内解散がしばしば報道されるようになり、総理が16日解散と言ったという話になっているが、ここで解散するとしたら、民主党は政権交代で民主主義の可能性を見せつけて、解散でその可能性を否定しようとしているようにも見える。独立した司法の強い要請を無…
某仕事で非営利法人制度について色々と調べたのだが、原稿の締め切りに遅れてしまってご迷惑をおかけしたものの、個人としてはなかなかよい機会だった。ただ調べたことを全部かけるような分量では当然無く、あれもこれも書きたいなあ、と思いつつ残念なとこ…
大阪維新の会が日本維新の会という政党を作ったことに伴って、いろいろな地域の地方政治にぼちぼち影響が出ているらしい。注目度が高いことから、地域版が結構取り上げているので、そのまとめ(どうせすぐ消えてしまうのだけども)。気が向いたらまた追記し…