社会保障カード

ほとんど備忘のため。

◎交付事務を市町村に一元化=社会保障カードで提案へ−厚生労働省検討会
年金、医療、介護の個人情報を一元的に管理する「社会保障カード」(仮称)導入策を検討していた厚生労働省有識者検討会は、カード交付事務を市町村に一元化する案を、4月中にまとめる報告書に盛り込む方針だ。発行主体は厚労省とする。同省は2009年度からの実証実験などを経て、11年度をめどにカードを導入する計画。
既存の健康保険証などからの切り替えは、手続き先として医療保険者も検討されたが、ワンストップサービスが好ましいとして、国民健康保険だけでなく、組合健保などの加入者や公務員への交付事務も市町村に一本化することを提案する。
(後略)
2009年4月13日 時事通信・官庁速報

11年をメドに社会保障カード導入,といわれているわけですが,だんだん本格化しているということでしょうか。記事ではあとで「医療・介護分野の共通IDとなる1人1番号の「保健医療番号」を新設することも検討課題として示す見通し。」と書いてありましたが,これは基本的には以前から議論になっている社会保障番号のようなものでしょう。いわゆる長期給付であるところの年金を入れない,というのはひとつの考え方だと思いますが,介護だって長期っちゃ長期だし,何より(名寄せしないとしても)番号が一つ増えるというコストがかかるということもまた事実なわけで。
何より興味深いのは,健康保険証の切り替えが保険者ではなく市町村に一本化されることが提案される,というところ。ということは,現行で保険者が集めている被保険者の個人情報(親族の扶養とか)を市町村に集めるということなのだろうか。だとすると市町村に集まる情報はかなり膨大になるだろうし,個人情報の管理やシステム投資もかなりの負担になるのではないかと。一方で,情報は従来通り保険者が管理して,カードだけ市町村経由で渡すと市町村のしごととしてはカード配布作業が加わるだけだが(それでもそのための人件費は膨大になるのではないか),市町村から配る意味がよくわからん,という話になるような。
非常に形式的だけど,あの,紙だったりカードだったりする健康保険証が一応統一した形式になるっていうのは実はなかなかスゴイことのような。いままで保険者が変わると違う形式の保険証を持っていたことを考えると,保険証の形式によって微妙にSharing Communityの意識が形成されたりして。