不思議。

2007年4月(もうすぐだ)から,携帯電話にGPS搭載が義務化されるらしい。
ITmediaモバイル:2007年以降,3G携帯は原則GPS機能搭載へ
その主要な目的は,緊急通報の際の位置確認にあるということ。これまでは固定電話からの通報が主でその場合にはすぐに位置確認ができていたのに対して,携帯電話の場合は基地局しかわからないから,例えば県境で発信したときにどっちの県警がでればいいのかわからない(!)という問題が発生したりするらしい。今日のオープニングベルで,「GPS搭載義務化でのビジネスチャンス」という日経らしい話をしていて,GPSナビを使ってこういう感じで便利になりますよ〜ってことが紹介されてた。
いやまあ個人的には,そういうの大事だし,便利になるのはいいのではないかと思ったりするのですが,これって住民基本台帳システムよりよっぽどキッツい話じゃないかと思うのですがどうなんでしょうか。住民基本台帳であんだけ反対する人がいるのに,携帯電話(いまじゃ国民のほぼ全員に近い感じで持ってる)を通じて重要な個人情報を人に委ねてるんだ,という感覚はないのかなぁ。何より問題だと思うのは,携帯電話に関する情報は私企業(しかも寡占企業!)が管理しているわけで,少なくとも「民主的コントロール」が効かない,ということ。住民基本台帳システムについてはまだ(理屈としては)民主的コントロールが効くと考えられるけど,そうじゃない携帯のシステムに関して問題化が全くされないのは,この二つを衡量してみるとかなり気持ち悪い,と思ってしまうんですけど。やっぱり広告主であることが何より重要なのかなぁ。それだったら政府も(政府広報じゃなくて)スポットCMの枠をいっぱい買ってみればいいのに。…って悪い冗談か。

ルー=ガルー (トクマ・ノベルズ)

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