しっかり!ぼう債

いやもう名前のインパクトだけですが。いわゆる市場公募地方債のなかで,群馬県が2001年にはじめた「愛県債」以降,多くの地方自治体が住民参加型市場公募地方債(ミニ公募債)というやつを発行しております。読売新聞の昔の特集,自治体の公募債 魅力アップへ進化などを見ていると,当初は日本国債(5年物)よりもちょっとだけ金利高めでプレミア感をつけていたものの,次第に満期が5年から3年に短縮されたり(金利が下がるのかなぁ,と思ったりするわけですが),今回の徳島県徳島市・鳴門市の「しっかり!ぼう債」などは国債利率よりも金利が若干低くなるなどして,金融商品としてはちょっとお得感が減ってるのかなぁ,という感じがしたりします。ただ時事通信によると,「利率は同時期に発行される国債の利率より0.1%程度低く設定し、利息軽減分で発光ダイオードを利用した防犯防災灯などを設置する」ということで,国債よりも金利を低く設定することで浮いたお金を使って地域のためになんかしますよ〜というあたりで購入者の心を揺さぶる感じになる,と。正直なところミニ公募債ってあんまりフォローしてなかったので,やっぱり郷土を愛する心がプレミアムとして乗っかるっていう現象は起こるんだなぁ,っていうくらいの感想なのですが…。さしあたりウェブ上だと,大和総研のレポート「ミニ公募地方債の動向と課題」がよくまとまってるなぁ,と思ったくらいなので。
しかしこの名前は結構スゴイ。「おおた市民債」(群馬県太田市)「せたがや区民債」(東京都世田谷区)みたいな超スタンダードな名前はまあそれはそれで面白くないというお叱りを受けることになるのかもしれませんが,アピールのためかユニークな名前は多い。とりあえずお金を使用する分野を冠した名前として,「浦安子ども健やか債」(千葉県浦安市)「厚木まなび債」(神奈川県厚木市)「がん対策市民債」(鳥取県鳥取市),まちづくりにお金を使うと思わせる「北本ふるさと緑の市民債」(埼玉県北本市)「綾部キラリふるさと債」(京都府綾部市)「コナンの里づくり債」(鳥取県北栄町)とかまあこの辺はわからんでもないのですが,「オオバンあびこ市民債」(千葉県我孫子市)「蘇る名城くまもと市民債」(熊本県熊本市)あたりになってくると,(少なくとも部外者である僕には)コンセプトもいまいち…。「千歳命名200年記念債」(北海道千歳市)とか「中核市移行記念債」(大阪府高槻市)に至ると,公債発行も大事でしょうが他の名前はなかったんかい!とツッコミをいれたくもなります。
しかし,僕の中でのインパクトはやっぱりこれですね。「都留のおんがえし債」(山梨県都留市)って…。JAクレインと同じネタでくるとは…。*1

*1:すみません…これ書きたかったがためにダラダラ引っ張りました…