公害研究

今年は熊本水俣病「公式確認」50周年ということなわけですが,ちょっと調べてみると,水俣病をはじめとする公害に関する研究って80年代から2000年ころまでホントに下火になるのね。ここのところは50年という節目もあって,「水俣は終わってない」というような主張をはじめとして,「水俣学」のようなある種の運動が行われているようですが(例えば最近の『環』)。
社会科学の分野では,主に法学的な分析・経済学的な分析と,社会学的な分析があるかと思うのですが,前者はどちらかというといわゆる非特異的疾患である大気汚染を扱った公害健康被害補償法の評価に流れていて,後者は差別の問題を中心とした地域研究が盛んである印象を受ける。水俣病をはじめとするいわゆる「特異的疾患」とその補償に関する社会科学的研究って意外と少ない*1。中央地方関係でもツッコミどころはいくつかあると思うんだけど,やっぱりややこしすぎて難しいのかなぁ。

*1:ダイオキシンとかはほとんどないんじゃないかと