破綻法制

総務省は22日、財政難に陥った地方自治体に対する「再生型破たん法制」について、自治体が破たんした場合、いわゆる「借金の棒引き」にあたる債務減免や金利減免などの債務調整の導入を見送る方針を固めた。
(中略)
これにより、総務省が検討を進めている新しい再建法制は、〈1〉自治体の財政状況が悪化し一定段階に達した場合、早期是正を促す〈2〉さらに悪化が進んだ場合は、再生計画への同意など、国の行政的関与の下で再生手続きに入る――という枠組みになることが固まった。
(2006年9月23日 読売新聞)

債務整理をするのは行政権の侵害になるのかなぁ。この場合,行政を担っている組織というよりも,ひとつのCorporationである,ということのほうが問題になるのではないかと。まあ,最終的には行政(中央政府?)/司法どちらの判断を使うか,というキメの問題になるように思いますが。
あと,若干不思議なのは早期是正の話で,

自治体の財政状況が悪化し一定段階に達した場合、早期是正を促す

今の制度も似たようなものではないかと。例えば破綻した夕張の場合は,会計操作によって自治体の財政状況が悪化して「一定段階」に達したように見せなかった,ということのほうが問題で,発覚したときには処置なし,という話で。
まあそうは言っても,そもそも個人的には,単一国家を前提として,財源がめちゃくちゃ偏在し,かつ,地方政府に結構な社会資本投資を行わせるという状況で,「破綻」とかやるのはどうかと。せめてイギリスみたいにある程度社会資本投資が終わっていて,予算規模に対する債務の量が限定的であったりするならまあわかりますが。これだけ財源が偏在している中で,財政調整なしに市町村レベルを連邦制の「州」みたいに取り扱うのは非現実的でしょうし。どちらかというと先にやるべきは,経常勘定と資本勘定を分離して,ゴールデンルールを徹底させることではないかと。