頑張る地方

24日は新政権実質第一回目の経済財政諮問会議。主要なテーマはなぜか地方分権改革。ていうか,再チャレンジが内政の目玉だったのに,なんで地方の話をやってるの?というのはよくわからん限り。しかし…いや,あのペーパー出すのにめちゃくちゃ調整が大変なのはよくわかるんですけども,甘利議員説明資料は何か意味あるんでしょうか>経産省。「安倍成長戦略」とかもうウチがやりまっせ〜ってノリとか,経産省が引かれるのはよくわかる。
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2006/1024/item2.pdf
まあそれはそれとして。菅大臣説明資料では,いくつか興味深い点が。

  • 補助金交付税、税源移譲を含む税源配分の見直し」:三位一体という表現が完全に落ちている。もうこれを使うのは止める,という話か?
  • 「頑張り」の評価はやっぱり「就業率の向上」「出生率の向上」とかw。水準はやっぱり難しいんですよねぇ〜。ただそれが交付税の趣旨に合うとはとても思えないのですが。むしろ財源保障の範囲を広げてないか?
  • 交付税予見可能性という議論は非常に重要だと思う。ただし,今のところ,各団体ごとの額より先に,総額をどうするかという議論のほうが必要な気がする。総額が変わんなければ,まあそれほど大きな違いはないだろうし…。ていうか,いきなり新型を増やすとかそういう話と両立するのだろうか。制度の安定性のほうが重要では…。
  • 「地方の頑張り」の議論は,中期的には法定率32%をどうするのか,という議論に向かう気がする。事実として,長い間地方財政対策をやってきたという実績はあるので「地方が努力した分が国の財政収支の改善となるのでは「地方の頑張り」が報われない」という議論はややつらいのでは?僕はどっちかというといわゆる「地方」側の肩を持つ主張に近いと思うけど,(単独事業バブルを国が起こしたということを差し引いても)長い間,一応国も法定率以上の交付税を出してきたことは考慮されてもいいんじゃないだろうか(というと,交付税にさらに「異時点間資源配分」の機能を持たせることになってしまいそうだけど(苦笑))。

http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2006/1024/item3.pdf
あとは,民間議員の姿勢,という話でしょうが,今回に関してはそれほど「高めのボール球」って感じでもないんじゃないの?っていうのが正直なところ。地方債の完全市場化っていうのはまあ激しいですが,それは昔から言う人は言ってきたわけだし。尾身先生と甘利先生は,資料からは何が言いたいのかわかんないからパス(財務省のほうは,会議レポートを読む限り,「拙速な税源移譲は格差拡大を招く」,という主張らしい)。

ちなみに,首相は,

道州制は、既に政権公約の中で示されているので、しっかりと進めていきたい。どんな権限と責任を国から道州に譲るものであるのかによって、道州制の姿は変わってくるので、どういう権限と責任を移譲するのか、そのイメージを明確にしながら議論を進めなくてはいけない。

そのイメージを出すのがリーダーシップのような気がするのですが。やっぱり地方の話に入ったのは,大田大臣がビジョン懇の座長だったからとかいう理由なんですかねぇ。