なんだそれ?

最近どうも余裕がなくて,普段なら引っかかるようなネタも華麗にスルーしてしまうわけですが。今回は時事通信の官庁速報(2007/01/29)の記事より。

政府の教育再生会議野依良治座長)は先週総会を開き、第1次報告を正式に決定した。同報告に対しては、「具体的によく分からない」「矛盾点が多い」などと文部科学省内の反応は冷ややか。中には「受け狙いなんでしょ」という声まで出ていた。例えば、同報告が「国は、学校に対する独立した第三者機関による厳格な外部評価・監査システムの導入を検討する」とし、「教育水準保障機関」(仮称)の設置を打ち出している点には「イギリスのオフステッド(教育水準局)をイメージしているのかもしれないが、それだと地方分権の流れに逆行することになる」(初等中等教育局幹部)と当惑顔。別の幹部も「正直言ってこれでは、政策にならない」とため息を漏らした。

文科省って地方分権を推進する組織だったっけ?OfSTEDみたいな組織を作ったり,全国統一テストをしたりするのは単一国家において教育水準を確保するのに最低限必要なことだと思うんですが。少なくとも文科省自身がそれを要らないというのであれば,そもそも別に中央政府レベルで(初等中等)教育について管轄する組織自体が要らないんじゃないの?と思ったりして。まあ高等教育だけ文科省っていうのはそれはそれで恐れおののきますが。個人的には教育政策っていうのは(単一国家では)中央政府レベルで実施すべきもっとも主要な政策のひとつだと思いますが,教育についての地方分権論者の方々は,本当に初等中等教育教える内容到達すべきレベルについて都道府県単位で差が(別に「格差」じゃなくて)生じることに対してコミットできるのでしょうか。まあその教育を司る役所がこんな状態なんで,ほっといても差が生じてしまうであろうことを考えると,先に「差の作り方」についてコミットしておいた方が長期的には望ましいのかもしれない,と思ったりするわけですが。