朝,妻が出かけるのと一緒に投票へ。ついでに投票所の上にある図書館によって,現総理の祖父に関係する本が面白そうだったので借りてみる。ひとつは老碩学によるオーラルヒストリーの記録で,もうひとつは比較的若手の研究者が最近書いたもの。
- 作者: 原彬久
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2003/04/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 加藤聖文
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/11/11
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それ以外にも,後藤新平をはじめとして,松岡洋右,十河信二といった満鉄の中心にいた人々やその周辺の軍人たちが,ほかではあまり触れられない満鉄という側面から描かれるのは新鮮だった(松岡は例外だろうけど)。十河信二は新幹線を作った人,ということで『未完の国鉄改革』では先見の明のあるリーダー,『粗にして野だが卑ではない』では石田禮助の引き立て役,といった感じだったのですが,満鉄のときのフィクサー的な側面,というのは初めて知った話でした。*2
- 作者: 葛西敬之
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2001/01/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 城山三郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1992/06/10
- メディア: 文庫
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- 作者: 村井良太
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2005/01
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- 作者: 奈良岡聰智
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2006/09/01
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- 作者: 清水唯一朗
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2007/01/01
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*1:あまり詳述はされていないものの,そのときに調査部だけ例外的に大きくなるものの,やがて陸軍と対立して解体されることになる。
*2:ちなみに,『満鉄全史』では,新幹線の開発に対して石田は批判的で,その開業式に十河を呼ばなかったというエピソードが紹介されているのですが(199-200ページ),『粗にして〜』のほうでは,石田は十河を気の毒がってテープカットをさせようとしたのに十河のほうが辞退した,というエピソードがあります(166-167ページ)。まあどっちでもいいんですが,どうなんですかね。ついでに言うと,『粗にして〜』の方で,このエピソードが紹介されている直後の叙述で,十河のもとで新幹線開発を進めた技術者集団が,技術優先で突っ走るという意味で「関東軍」と呼ばれていて,石田がそれを止める,という話があるのですが,二つを並べて読んでみるとなんとも皮肉な話やなぁ…,と。