民主党地すべり的大勝,ということで,事前の選挙報道で出ていた中でも自民党に厳しめの報告に近かったのではないかと思います。選挙の結果については,一人区の勝敗は与党の6勝23敗(前回は14勝13敗)で,二人区は結局野党系総取りもありうるとされた北海道・新潟でも議席を分け合い完全にイーブン。三・五人区では民主党が二人出ししたところでは完勝(大阪のみ一人出し),自民党は東京で二人目が取れずに6選挙区全てで一人確保したものの,公明党が大阪以外の三人区で全部落として惨敗とも言える衝撃的な状況に。比例代表はやはり公明党が予定(!)の8人目に届かず草川副代表が落選したほか,共産党・国民新党も伸びず,選挙区の大敗のわりに意外と自民党の議席が多かったな,という印象でしょうか。
公明党が獲得した比例の議席は前回と同じで,一応地域重点候補は通ったものの,最後の一人は滑り込みで,民主党があと30000票ほど積んでたらそっちに流れる,という状況でした。当初狙っていた前回同様の比例8人当選のためにはあとざっと100万票必要になってくるわけで,今回の獲得票数7762324,得票率13.18%(前回8621127/15.5%,前々回8187822/15.0%)はちょっと苦しいといわざるを得ないのではないでしょうか。島田裕巳『公明党 vs. 創価学会』によれば,最近公明党が特に比例で得票を増やしていたのは自公協力の効果が大きいという議論があって,今回は自民党が意外と比例で粘ったことを考えると,今回は「比例は公明党」が機能せず,自民党のコアな支持層(懲罰行動をしない層)が自民党への投票に走ったのではないか,と予想されます。比較的投票率が上がった愛知での惨敗に加えて特別に投票率が上がったといえない埼玉・神奈川で公明党候補が次点に泣いたのは,自民党が無党派を当てにして一部を公明に回すような行動を取ることができなかったことも大きいかもしれません。*1今回は,公明党がこれまでの自公協力で実は恩恵を受けてきた部分がはがれた結果,としてみることができるのかも。
- 作者: 島田裕巳
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