大阪市格付け

史上初の火曜日振替休日の日は夕方授業をしてから次の日大阪へ。朝また授業をしてから大学へ,というずっと家で論文を書いてたGWとは打って変わって突然活動量が増えたので,ちょっと身体がついていかず…。
で,その論文がらみのネタが。

5月8日朝日新聞
大阪市は8日、5月中旬以降に発行する「みおつくし債」など市場公募債について、指定格付け機関「日本格付研究所(JCR)」から「AA+(ダブルエープラス)」の評価を得たと発表した。AA+は20段階で上から2番目。
市債残高の圧縮など関淳一前市長が始めた市政改革が評価された。格付けが高いと、市の利子負担軽減につながる。平松邦夫市長は「高い格付けを維持するため、速度を緩めずに市政改革を進めたい」と話した。
市はこれまでに海外の格付け会社2社から東京都や横浜市などと同等の評価を得ている。国内投資家から国内の格付け機関による評価の要望があり依頼していた。JCRが自治体の依頼で格付けをするのは初めて。
大阪市債格付け、上から2番目AA+ 国内機関から取得

まあ「みおつくし債」は住民参加型公募債(ミニ公募債)なので,市場公募債を代表させるためにもってくるにはちょっとどうなのかなぁ,と思ったりするわけですが。って朝日新聞だし,要するに普通の10年債が「大阪市債」って名前でインパクトが弱いから「みおつくし債」を持ってきた,って程度の理由だとは思いますが。
しかしJCRから格付けを取るっていうのはまたどうしたんですかねぇ。国内系で格付け出してたのはR&Iが静岡と岡山に出してただけであとはみんなS&PとMDYばっかりで。2年位前に評価についてちょっとだけエッセイを書いたときに考えたのですが,(てか当たり前の話ですが)格付けっていうのはひとつの格付け機関が多くの対象について格付けをやってるからこそ意味があるわけで,敢えてはじめてのJCRに行くのはこれ如何に,と。まあ大阪市はS&PもMDYも持ってるからなんでしょうけど,JCRはこれから増えていくのかなぁ(逆に,だからこそ非依頼格付けを撤回した,ということなのかもしれませんが)。ただS&PやMDYの格付けを取ることは,海外の地方自治体の格付けとの比較も可能になると言うメリットがある一方で,JCRやR&Iはどうしてもまだその辺に強いイメージはないわけで,これからどうやっていくんだろうか。社債との比較というのも限界あるような気もするし。