名古屋市長選挙

最近は短く書きやすい首長選挙がらみばっかりですが…。分権はぼちぼち見てるのですが,まとめるためのまとまった時間が取れずになかなか進みません。もし期待してくださっている方がいらしたらすみません…。でも4月2日の会合が5月2日に消される可能性を考えると急がなくては。
で,名古屋市長選挙ですが,選挙前の予想通り,河村たかし氏の圧勝。予想以上に票差はついたかなぁ,という気もしますが。あんまり詳しく見てませんが,この選挙もやっぱり河村要因が強いので,自民対立とはあんまり関係ないのだろうと思われます。でも今回はメディアも割と「民主党信任とは関係ない」という立場をとっている様子。まあ立候補前の民主党内のごたごたを考えてもそういう結論になるのだと思いますが。
興味深いのは,主要な公約として躍り出た「地方税10%削減」というもの。日本で一番地方税が低い自治体を目指すということですが,まあそれは制度的にはそんなに難しいことじゃないのでしょう。名古屋は不交付団体なわけだから,水準超経費で減税分の支出を当てれば(「減税」と言わずに定額給付金的な名目にする?),地方債の同意ともあんまり関係ないような気がするし。もちろん借金する一方で減税ってのはどうなんだ,という話はありうるわけですが。
でもそれこそ定額給付金の話みたいですが,社会的弱者対策なんかを出していくなら,地方税減税なんていうよりも,国民健康保険への財政投入とかすればいいのに。名古屋市のサイトを見ると,政令市にしては所得割が低いみたいです。「支援分」込で地方税課税額×1.13,ちなみに去年の23区は1.17*1。しかし均等割がひとりあたり5万程度とえらく高い。それを考えたら,減税で「富裕者層」にお金が流れるよりも,国保に入れて高齢者や無業者が払うべき保険料(特に均等割)を軽くすることを考えてもいいのに,と思ったり。でももちろんそれがいいか悪いかは議論ありますけどね。僕は個人的にこの手の話を「不交付団体だけが簡単にできるかもしれない」のは問題だと思っていますが。

*1:でも今年は0.94とえらくやすくなってる!均等割が高いわけでもないし…と思って原因を考えると,基礎分と支援分の合計の上限が61万とお高くなってるので,原因はこの辺にあるのかもしれない。ちなみに名古屋の上限は去年からこの水準。