事業仕分け

行政刷新会議事業仕分けについて,ワーキンググループライブ中継をやっていて,これは会議ヲチャーとしては見なくてはいけないとは思ってつなごうとするが,どうしてもすぐに落ちてしまって,全然ちゃんと見れない。でも何がすごいって異常なライブ感がある。どうしても今週はいろいろと仕事があるので,つながっていたとしても流しているだけになってしまうが,それでもどうしても気になるし,Twitterの例えば#shiwakeに出てくるTimeLineも非常にライブ感満点。しかしこのライブ感は非常に「政治ショー」というところもあるので,慎重に見る必要もある。Twitterの議論を見ている限りではその辺についての配慮もあるようだが(人数を見るとWG3(#shiwake3)が盛り上がっているように見える)。
その辺も含めてこれはもう少なくとも政治学行政学の若手研究者必見だろう。特に,学振特別研究員とか科研の若手関係は事業仕分けに入っているわけで,自分たちの問題としても見なくてはいけない。

11月12日追記

明日13日の第3WGは13:30〜14:25で競争的資金(先端研究),14:30〜15:25で競争的資金(若手研究育成),15:45〜16:40で競争的資金(外国人研究者招へい)という,まさに自分に関係のあるところが「刷新送り」になっている。先端研究は具体的にどの事業がそれに当たるのかわからないが,科研の一部費目の他にCOEとかも入るのだろうか。若手研究者に関する議論はまさに注目だし,外国人研究者についても個人的には微妙に関係がある。
昨日の夕方くらいから接続が可能になってこれまでの事業仕分けを見ていると,シュールな話だけど,現状でかなり無理があったり非効率があったりする制度に対して,評価委員?からそれよりさらに無茶なコメントが来て(すぐに「そんな事業はいらない」みたいな),答弁する側もなかなか厳しい理屈で返す,というような。そんな中で僕らは何に期待しながらそれを見ないといけないのだろうか。例えば科研の若手研究が来年から予算半減,というのであれば,ある意味で単純に競争が激しくなるだけなのかもしれないが,学振の特別研究員について来年から予算半減,とかいう話になったらそれは人によっては生活に関わってくる問題で,そんなのを同列にした1時間程度の会議で決められるのはたまったもんじゃない,と思う。しかしそれは,僕らがそう思うのと同様に,他のところで「刷新送り」になった事業に関連する人たちも同様にそう思っているということなのだろう。
Twitter上の議論でよくなされていたが,こんなのは戦略どころか戦術でもなく,単に戦闘レベルの話で,国会議員がむしろ主計局の尖兵のようになっている,という批判は強いと思う。その批判には基本的には同感だが,個人的には「戦闘」の姿勢を見せること自体に意味があるのではないかと思うところは強かった。しかし,国家予算と比べてあまりに成果の小さいこれらの「仕分け」の結果を見るとそうも言ってられないのかもしれない。週刊ダイアモンドで加藤出氏が書いているように,断片的に細かい既得権益を剥がしていくのは少しずつ反対を増やしてしまう,ということもあるが,逆に言うとこういう細かいところの方が声が小さいので剥がしやすいということもあるだろう。使うお金が効率的かどうかよりも微妙な権益を剥がしやすいかどうかで「刷新」する事業が選ばれるのはやはり問題ではないか。正直なところ,仕分けの効果が大きい大物について,特定のところに痛みが集中するのではなく,可能な限り痛みを分散させるようなかたちで仕分けが行われれば,と願うところだが。

11月13日さらに追記

WG3の議論はすごいことになってた。Twitterハッシュタグ#shiwake3は阿鼻叫喚状態だが,今後の科学技術政策に関心がある人には必読ではないか。議論を聞いていた感想としては,仕分け人のコメントがまさに研究者(特に僕より若手)の心をポッキリ折ってしまうようなものであまりにもひどいという感情的なものがあり,なかなか冷静に考えることは難しい。しかしなるべく離れて見つめなおすとすれば,競争的資金に関する議論は一貫として「他の事は何もせずにどうやってノーベル賞みたいな上澄みだけを掬うことができるか」,という無茶な命題に沿って議論が行われて,見ている人はその発想を批判しているということではないか。まあ確かにそれは「効率的」なのかもしれないが…。