合宿〜研究会

先週末からは、ゼミの合宿〜研究会とハシゴ。ゼミの合宿の時点でやや体調が悪かったりして、何とか乗り切ったと思ったら、微妙な酒を大量に購入したせいか(買出しいったのは自分)、次の日は結局やや二日酔い。そんなに飲んでないのになぁ。
新幹線で、せっかく三時間もいるんやから、ということで、「地獄八景亡者戯」に挑戦してみたものの、半分をちょっとすぎたくらいでiPodの充電がなくなる、というなんか踏んだり蹴ったりの状況で、研究会にもやや遅刻(すみません)。研究会では、一番初めに浮かんだコメントを、自分の先生によりまとめられた形で言われてしまい、あとはもうひとつのコメントを延々と考えていたものの、結局時間内にはひねり出せず。…ってホンマに良いとこないな。まあ最終的には一応自分が何を言いたかったのかは理解できた(+報告者に伝えられた)のでよしとしておこうか、というところですが。…やっぱりダメでしょうか。

せっかくの三連休、といっても、結局のところいつもとやることはたいして変わらずで、いくつか読書。白田秀彰[2006]『インターネットの法と慣習』は、筆者が敢えて行う政治的主張も含めて、確かに諸所で評判になるように面白かった。自分の論文でも「今後の課題」(って逃げですが)と書いていた話で、フィクションであっても保守−革新みたいに何かを代表しているというイメージがあったものがどうやらもう使い物にならないときに、政治的な選好をどのように代表させるのか(あるいは決定の回路につなげるのか)、っていうのは規範的な話かもしれないけども、筆者が言うように政治学者が考えるべき話のひとつじゃないかな、と。
しかし、

事実、現在の投票制度は既得権者の団体や高齢層を支持母体とする政党にとって有利なように設計されている。年齢別投票率を見てみれば、年齢が上がるにつれて投票率が高くなっていることが明らかで、その傾向が何年間もずーっと続いているのにもかかわらず、若年や壮年世代が投票しやすいような制度上の工夫が、ほとんど進んでいないことがその証拠だと私は考えている。その一方で、電子投票システムの実験は、ことごとく何らかの問題を呈しており、「電子投票ってのはまだまだ信頼性に欠けておりますな・・・フォッフォッフォッ(笑)」という雰囲気を醸し出している。
しかしながら、電子決済や電子契約がどんどんできるこの時代に、いまだに選挙の電子化すらできないような政府や政党って、もう「終わってる」ような気がしてしまわない?既存の体制を維持するためのノラクラした時間稼ぎが既存の体制への疑いと不信をいっそう高めているような気がしない?(以下略、pp.205-206)

まあ「そういう気はする」んだけど、かといって、電子投票が全てを解決するか、といわれるとそこまででもない「気がする」。電子投票であっても、代議制という問題自体は変わらないわけだし。すべての政策で直接投票すんのか?それはまた別の問題が起きると思うし。
やはり『ノイマンの夢』の話みたいだけども、単なる技術決定論だけではないとは思う(念のため:著者は必ずしも技術決定論を主張してるわけでもない)。一度電子投票をやってみて、それに問題があればまた制度を変えればいいだけのことかもしれないけれども(誰が「問題」を判定するんだ、というのは差し当たりおいといて)。やっぱり個人の識別の問題が…と思いかけてはみたのだけれども、じゃあ現在の選挙制度ってのは電子投票システムと比べてそんなに堅固に識別できてんのか!って言われると、うーん、って考え込むことになるかもな。でもまあ「誰が電子投票に反対してるのか」を丁寧に見ていくのは政治学的に面白い仕事かも。