石綿救済法

アスベスト関連工場近くに住みながら、労災が認められない中皮腫や肺がんの患者の救済を目的に施行された「石綿健康被害救済法(アスベスト救済法)」が今月27日で半年を向かえるが、これまでに救済申請中に認定が間に合わず死亡した患者が170人以上にのぼることが、環境再生保全機構(神奈川県川崎市)の調べで分かった。

 認定にあたっては原則として国の医学的判定が必要になるが、症状の確定診断の難しさなどから、判定を「保留」と扱われるケースが全体の半数以上を占め、保留中に死亡した患者も多いと見られている。

 同法の救済制度は、同機構が申請を受け、国が医学的判定を行う。認定された患者には月額約10万円と自己負担分の医療費が支給される。
(2006年9月21日 読売新聞)

いわゆる石綿救済法って公健法以来久しぶりの公害救済制度ではないかと思うのですが,まだあまりそこまで調べられていない。ただ,興味深いのは「国が」患者の認定を行うところか。公健法のときには認定を行うのは都道府県知事であったわけだが,それが今回違う,と。これまではお金を集めて配る役割を持っていた環境再生保全機構(旧 公害健康被害補償予防協会)が申請の受け手にもなって,判定は国が行うということ。「医学的」な判定を行うわけだから,おそらく個別的なケースの因果関係の判定もやっているんだろう。
当然立法時には公健法を意識しているだろうから,なぜ国でやったのかというのを少し調べてみても面白い。まあたぶん地方分権改革の影響ではないか,と思ったりするわけですが。国が自ら行うことにしたのか,都道府県知事がいやがったのか。まあ調べることにはことかかなそう…。