ちょっとした疑問

今日の朝からワイドショーでもやっていたこのお話。

出生届が受理されなかった子について、住民票を作成すべきかどうかが争われた訴訟で、東京地裁は31日、東京都世田谷区に住民票作成を命じる判決を言い渡した。大門匡(たすく)裁判長は「将来的には、選挙人名簿への未登録など重大な問題になる」と指摘し、「住民票を作成しないのは違法」と認定した。
住民票:東京地裁が世田谷区に作成命令 出生届不受理の子

事実婚とか,「嫡出でない子」と書きたくない,という人たちが行政サービスを受けることができないという議論,まあ要するに国家が用意した選択肢自体を選択しないことを選択した人たちに対して保護を与えないという議論は成り立つでしょうが,個人的にはさすがにそれが主流ではないと信じたいところなので,住民票を交付するように命じた判決は妥当なのではないかと思うのですがどうでしょうか(単なる感想)。
いや,単なる疑問なのですが,この記事の後段。

訴訟は、「嫡出子」「非嫡出子」との区別を親が拒んだために戸籍や住民票のない子供が存在することも明らかにした。「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する民法772条をめぐっては、「前夫の子」との戸籍への記載を拒んで子供が無戸籍となっている。事情や背景は異なるが、判決は、子供の救済を最優先に考えたものだ。
(中略)
戸籍や住民票がない子供の数については、300日規定をめぐる法務省の実態調査でも「把握する手だてがない」とされ、どれだけいるのかは未知数で、その事情もさまざまだ。実態がつかめない現状では、無戸籍児についての一律対応は容易ではない。判決は、自治体が子供の利益を守ることを第一に、それぞれのケースについて柔軟な対応を図っていくことを求めたものと言える。

たぶん無戸籍のひとたちは,今度は婚姻届を出すことができないって訴えるでしょう(だって戸籍謄本/抄本取れないし)。婚姻届が出て制度として結婚が行われていなければ認められないこともあるだろうし。他にも資格認定とか何かの届出のときに戸籍がなくて不受理,という話に関して裁判が行われてもおかしくないし(たぶんパスポートが無理),結局出生のときの「非嫡出」とかそういうのを何とかしないと戸籍が作れないのであれば,この問題は延々と続くし,ある時点で訴えた人の権利を大幅に制限するっていうのはなんだかちょっと難しい気がするのですが。
てか,いや僕自身は別になくてもいいじゃん,と思うのですが,こういう風に住民票が出るのであれば,そもそも戸籍制度っていうのは必要なんですかねえ?国籍認定だけは何とかしないといけないということはわかるのですが。