資格化

時事通信配信のニュースより。

保育所園長を資格化=専門性向上で09年度にも−厚労省
厚生労働省は12日、保育所の園長を新たに資格化し、資格を取得するに当たって一定の要件を課す方向で検討に入った。育児の不安や悩みを抱える親の増加など、子育てをめぐる環境が変化する中、保育所や園長に期待される役割が高まっており、より責任感や専門性を持った人材を確保するのが狙い。2009年度からの実施を目指して作業を進める。
(中略)
現在、保育所の園長は自治体の福祉部局の職員が兼務したり、子どもとはあまり関係のない部局から就いたりする場合もあるが、厚労省は資格化を通じて園長の専門性の向上を図り、こうした責任と役割に対応できるようにする考えだ。
幼稚園の園長は既に「教育に関する職に10年以上あったこと」などと要件を定めて資格化されており、同省は近年の幼保連携の流れからも、保育所も同様の取り扱いが必要だと判断した。
(後略)

これって必置規制みたいな,いわゆる義務付けってやつじゃないの?と思ったりするのですが。義務付け・枠付けの廃止が議論される中で厚生労働省がいまさら保育所の園長の資格を決めるというのはちょっと疑問。「地方分権」というのであれば,このあたりこそまさに地方政府のほうが責任を持って(内部・外部を問わず)それなりの能力を持った人を任命して当たらせるべきではないだろうか。問題は「自治体の福祉部局の職員が兼務したり、子どもとはあまり関係のない部局から就いたり」させる地方政府の姿勢にあるわけで,これについてはむしろ地方議会や住民の方が適切にプレッシャーをかけて地域の中で何とか変えさせるべきであって,厚生労働省がとやかく言うような性質の話ではないように思われます。まあ地方政府の方が自分で変えることができないのであれば,分権なんていってないでもう厚労省の言うとおり形式的な専門性を重視して規制されるというのもひとつの解だとは思いますが…。てかこれやってもいわゆる「保育の専門家」が自分たちの領域を確定して,その中で「自律性」を精一杯発揮するだけのような気もするのですが。