第82回会合(2009/4/24)

今回は直轄事業負担金に関する意見の提出がメインで,終了後に委員長と鳩山大臣の会合があるとかでやや短め。毎回見てる方からするとこのくらいの長さだとありがたいけど,実際この長さだとあんまり議論する時間がない,というのがあって難しい(当り前か)。
というわけで,まずは直轄事業負担金に関する意見の審議。意見書案について宮脇事務局長が読み上げた後委員がコメントするわけですが,修文案については横尾委員と小早川委員から,それから猪瀬委員と露木委員から感想めいたコメントが出されて,割と早めに修文のための休憩へ。ポイントとしては,横尾委員が指摘した,「直轄事業負担金制度は将来的に廃止する」をどうするのかというところだったような気はしますが,別に委員間で議論があったわけでもなく,宮脇事務局長からはこの点まだコンセンサスがなく税財源の議論とも関わる,ということで,将来への言及は特にない形で決着,と。
次は国交省ヒアリング。分権委が議論が終わるまで合同庁舎の建設を凍結すべしと言っているのに,仙台・長崎という二つを除いて既に決定されていた合同庁舎の建設凍結を解除した,という話。国交省としては,昨年の丹羽委員長談話を踏まえ無駄がないようにしたいという趣旨であり,使用調整が可能な形で集約・立体化した合同庁舎を作ることによって柔軟な利用を進めたいということ。凍結解除に当たっては,計画規模の縮小・入居官署の見直しを進めているし,発注した責任もある,と。で,結局のところ予算規模というか建設計画自体はほとんど変わらない状況だそうです。なお柔軟な利用,というのは大空間方式・スケルトン方式と呼ばれている工法?で,要は中身に何が入るかを決めずにあとでオフィス配置を変えられるということだとか。
論点は,国交省が言ってる「発注の責任」というところの様子。基本的には丹羽委員長と担当者の遣り取りというかたちですが,丹羽委員長は「工事を凍結・中断することによって契約相手である建設会社に対して違約金が発注するかもしれない,確かに違約金の額が大きければ(それこそ無駄なので)再開することもありうる,だから違約金額との考量をしなくてはいけない」といっているように思われます。しかし国交省の方は,いくらかというのはその時の契約や入札金額による,と「個別の事情」を盾に違約金の話についてはデータを出さない状態になっています。なお,凍結のままになっている仙台と長崎についてはそもそも発注していないので違約金も出ていないとのことですが,一方よくわからないのは凍結解除になったものについて(仙台・長崎以外の4つ)これから公告・発注を行うということで,どうやら違約金等の問題は出ていないよう。このうちなぜ仙台・長崎だけ凍結解除しないかというと,この両者は相対的に(出先機関改革の対象となっている)8系統15機関が占める割合が大きいからだとか。まあその「相対的に大きい」基準は示されていないのですが。こちらの方は違約金も出ないのになぜ再スタートするのか,というのはいまいち説明としてよくわからず。議事録によると,

ですから、私どもとしては、何度も繰り返すのですが、柔軟に対応するにはいろいろなやり方があり、3ページに載っているような入居官署の見直しとか、設計を変更して計画を見直して、例えば4階建てのものを3階建てにするとかの対応が今後可能です。そういう意味で無駄が生じてくることはないだろうということです。
立ち上がっていく途中についても、先ほど申し上げたような大空間方式とか、実施手順の関係でスケルトン方式を使って最終的に最後の段階で一気に内装を仕上げるようなやり方をすれば、しばらく中身が十分決まっていなくても十分に対応できるということであり、そういう意味でやっても差し支えがないものについて今の段階で進めさせていただいているということです。

ということなのですが,その「やっても差し支えがない」かどうかが微妙な問題のような気が…。
最後は井伊委員による今後の税財政改革についてのたたき台ということで,地方財財政についての提言の報告。義務付け・枠付けの改革を踏まえた財政移転にかかわる制度の改革から税源移譲まで包括的な話ですが,時間がなくて基本的に読み上げというかたちになってます。一方で義務付け・枠付けの改革をメインにやっている小早川委員からは,法令による義務付け・枠づけを見直したら機械的補助金が減る,とはなっておらず,法令上の義務付けを見直すことと並行して補助金の見直しも重要で,両方やらないと成果は出ないという指摘が。交付税との関係についても,機械的に連動しているわけではないということですが,ここのあたりがこれからの議論の重要なところになってくるのではないかと。