著者の先生方から頂きました。ありがとうございます。僕自身は講義の経験ないですが,しばしば公共政策学(論)を講義するとき,政策過程に関する知識と政策そのものについての知識の区別が難しいと言われることが多いです。この点について,この本では,アイデアや制度という政治科学Political Scienceで因果関係の議論を分析するために出された概念を,本質的に未来を志向するArtな要素が残る公共政策の議論の中で,政策そのものについての具体的な知識と切り離された形で提示しようとしているものなのかと。
自分自身が前に書いてきたものも含めて,公共政策の分析という文脈の中で,あまり意識することなく「アイデア」とか「制度」が議論されることが多いように思いますが,それを公共政策の過程についての知識(本書で言えば「ofの知識」)として抽出する試みは,知識の一般化という観点からも面白いなぁ,と思うところです。また,教科書で使う学部生の方にとっても,単に公共政策学の基礎として過程についての知識を吸収するというだけではなく,現実の一部分を抽象化した議論を提示するとはどういうことなのか,を考える機会になるのではないか,という気がします。
- 作者: 秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2010/12/13
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- 作者: ジョージアンダーソン,George Anderson,新川敏光,城戸英樹,辻由希,岡田健太郎
- 出版社/メーカー: 関西学院大学出版会
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