先輩から進められた中公新書の『北方領土問題』を読んでみる。中ソ(ロ)国境紛争の専門家である筆者が,紛争解決における中ソの経験を踏まえて,同様の思考パターンを北方領土の問題解決に用いるとどのようなことが考えられるか,を検討した本。個別的な事例の検討に終始しがちな国境紛争という話を,より一般化したかたちで説明し(フィフティ・フィフティ,という話だけど…),他の事例に適用してみるというのはなかなか興味深い思考実験だと思う。検討によって筆者が主張する結果は2島+αの返還を現実的なものとして考える,ということであり,その主張にはうなづかされるところが多い。
しかし,最近本をブログを通じて探すことが多くなってきた。人のブログで見つけた興味深い本をすぐに注文することができるのはとてもいいことだと思うけど,一方で,あまり(普段見ている)ブログに載ってこないいい本はなかなか見つけることができない。この本とか,もう少し紹介されてもいいような気はするけど,僕がよく見てるブログではあんまり出てなかったなぁ,と。まあ何にせよ,出版される本が多すぎるんだよなぁ…。正直なところ,人のブログで紹介される本をある程度チェックするだけで精一杯,ってところもあるし。
- 作者: 岩下明裕
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 新書
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