公務員

まだ始まったばかりの官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会のこれまでの議事録を読んでみる。まだ三回分が公表されているだけだけど,ボリュームとしてはかなり多くて異様に読み応えが…。この会議ではもちろんいわゆる公務員人材バンクの制度設計の話をしているわけですが,それ以外に微妙に「どうやってインターネットでライブ中継するか」とか,「次官OBを呼ぶのは選挙対策とかいう話が新聞に出たが,それをどう処理するか」みたいな問題についても委員同士が議論していて,ほかではなかなか聞けない話が載っているのが興味深い。ただこの手のロジ系の話をすると,すぐに事務局が抵抗勢力というか悪者扱いされてしまうのはかなり気の毒だと思われますね。事務局ができるもんなら言われたことをすぐにやりたいと思っても,今度は別のところから玉が飛んできて(典型的には「随契だ!!」とか),委員が事務局をその玉から守ってくれるわけではない以上,慎重にならざるを得ないだろうし。
議論としては,「公務へのロイヤリティ」を持った「優秀な人材」を確保しつつ(特に中年以降の)「生活保障を削減」できまいか,というところなのでしょうかねぇ。しかし「優秀な人材」である以上,生活保障がないと思われる仕事よりもそれがあると思われる仕事を選ぶと思われるわけで,この三つを同時に成り立たせるのは難しい。「生活保障を削減」することが大命題である以上,「優秀な人材」を諦めるか,「公務へのロイヤリティ」を諦める(=キャリアシステムを止めて流動性をむちゃくちゃ高くする!?)必要があるように思えます。流動性を高めるのはそれなりに望ましいように思えますが,民間の方の流動性が全く変わらないのであれば結局のところ優秀な人材を取れなくなるだけのような気も(あんだけ普段むちゃくちゃ言ってるマスコミの人がいっぺん政府の広報担当に入ってみたらいいのに)。ヒアリングに呼ばれた人たちが,公務にまい進している公務員は労働市場で自分の価値を上げる(例えば資格を取る)ことは考えにくい,といい続けるのはどうかと思う一方,一部の委員が異様に官僚(というか生活保障)を敵視しているのがちょっと気になりますね。官僚の仕事がその生活保障に見合っていないような言い方ばかりして,長期的に若手の官僚さんや今の学生さんとかの士気を下げる可能性がある,ということに対する責任を持ちながら話してるもんなんのかなぁ,と。「生活保障を削減」しても入ってきた人たちを「公務へのロイヤリティ」(ココロザシ!?)がある「優秀な人材」だ!って強弁せざるを得なくさせるのはなんだかなぁ,と思うわけですが。