阪急電車

週末は法事で実家へ。なぜか?実家に図書館戦争有川浩さんの『阪急電車』があり,ちょっと読んでみたかったので手に取る。阪急電車,というよりもその中でもさらに特殊な阪急今津線の各駅を舞台とした群像劇で,なんていうかいかにもこの作者らしい,ちょっとクスリとしつつ規範的な(正義感に溢れる?)話で,読み終わるとなんとなく嬉しい気分になるような感じ。最近この手の本はぜんぜんご無沙汰だったので,とてもよい気分転換になった。
今津線を舞台にするっていうのは結構面白い。僕自身,ずっと今津線を使ってきて周りの話がよくわかるということもあるけれど,この本では今津線の「乗り降りする人が限定される」という特徴をうまく捉えてると思う。要は,使っている人の属性が駅で大体判断できて,また結構似通ってるんですよね。変な話,阪急電車今津線)のある種のソーシャルキャピタルが垣間見えるというか。まあオマエがソーシャルキャピタルを語るな,といわれそうですが。
ただ,読んでるときになんとなく違和感があって,予想よりも読むのに時間がかかった。なんでだろう,と思ってたらあとがきを読んで納得しました。有川さんって女性だったんですね。僕はずっと男性だと思っていて,なんとなく男性の文章を読んでる感覚で読んでいたような気がします…てか,振り返ると,女性の書いたエッセイはよく読むけど,小説はあんまり読まないなぁ,と。身近にあるのは最近妻が好きな宮部みゆきさんくらいなんですが,ちょっと読んで確かめてみようかしらん。

阪急電車

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図書館戦争

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