開発局の論点(備忘)
今回の会合でも最後は北海道開発局の話がもう少し。北海道知事が難色,ということで猪瀬委員が「開発局の予算をそのまま削るとは言っていない,分権のときには財源もつけることが前提」という話を。それから丹羽委員長もいま乱暴に決めることはないが,知事にはあって考え方を説明する,ということで取りまとめ。結局お会いして説明されたようですが。
地方分権委委員長「二重行政廃止が基本」 道・開発局統合で
少し備忘のために整理しておくと,この議論は本質的には「北海道が他の府県と同じか,違うか」という問題にぶつかることになると思われる。北海道は他の府県よりも広大な面積を持ち,他の府県であれば「複数の府県に跨る」として国の出先機関が行うような仕事も,「道内で完結する」ために表面的には「府県で完結する」仕事より多くの仕事をするべきであるように見える。そして開発局は(それだけじゃなく歴史的な経緯というもの重要だが),こういう北海道の特性を踏まえて「道内で完結する」んだけども「複数の府県に跨る」ようなレベルの仕事を行っていたと考えられる。であるとすれば,開発局の存廃問題は,北海道という自治体が他の「府県で完結する」ようなレベルの仕事だけを行うべきか,それとも「道内で完結する」仕事を行うべきか,という問題を惹起するように思われる。つまり,前者のように北海道を他の府県と同じような自治体として捉えるのであれば,開発局のような出先機関は依然として必要なのではないかと思われる。もちろん国が補助金を出してその分の仕事を北海道にやらせるというのはありうるが,「国の仕事は国の機関が,地方の仕事は地方自治体が」という分権改革の主旨からすると補助金を出すのはあまり好ましくなく,国の仕事は国の機関がやった方が責任の所在がはっきりすると思われる(出先機関である開発局のチェックは別問題)。一方で,後者のように北海道は「道内で完結する」仕事を行うべきというのであれば,これは「府県で完結する」仕事よりも仕事の質・量ともに拡大するので,そのための手当てを講じなくてはいけない。「国の仕事は国の機関が,地方の仕事は地方自治体が」というのをあいまいにして,ここでも補助金と言うのは考えられるが,筋論としては他の府県とは違う水準の仕事をしている以上,独自の税源を持つことが望ましいのではないか,と思われる。・・・まあ単に整理なわけですが。