泉佐野−顛末?

数日前になりますが,松井望先生のブログの記事で,泉佐野の法定外税の件の顛末が。
[地方財政]関所
[地方財政]どっちもどっちなんでしょうが。
市の一部地域(空港島)のみ固定資産税を上げるということができず,結局関西国際空港と対岸を結ぶ連絡橋を通行する車に「利用税」(車1台往復150円)を法定外普通税として課税することにしたわけですが。しかしもう半年くらい経ってる訳で,松井先生も指摘されるように同意/不同意の結果は出ているような気がするんですがどうなんでしょうか。
まあ以前の市長の談話でも,

連絡橋は年間約380万台の通行が見込まれ、条例案では車1台往復150円を課税。期間は当面5年だが、今後10年間とすることを検討し、固定資産税額に当たる57億円を回収したいという。新田谷修司市長は「国が損失補てんに応じた場合はすぐにでも取り下げる」と説明している。

という話が出ているので,国が損失補てんに応じれば取り下げるのでしょうけど。とはいえ,国交省の今回の提案というのは,

国交省によると、空港2期島の未供用地約134ヘクタールの護岸工事を2010年中に完工するよう努めると市に説明。試算では完工後、年間5億−6億円の固定資産税が市に支払われる見通し。

というのを使うわけで,市の側としてはこれはどっちにしてもそのうち入ってくる財源だから話にならない,なんていうかなぁ,と思いきや,これで妥結したようです。

大阪・泉佐野市、関空「入島税」撤回…国交省支援策で
・・・同省は2009年度の政府予算案に盛り込まれた2期島の護岸工事の実施を同市域の約130ヘクタールで先行させれば、11年以降、入島税収入とほぼ同額の固定資産税が見込めるはずだとして、同市に撤回を要請した。
市は、年5億〜6億円の固定資産税が入ると試算し、同省の提案を受け入れ、同様に、関空会社に求めていた過去の同税減免分約4億7000万円の返還請求も取り下げる。

まあ一部を先行して完成させて固定資産税を払うっていうのはある種のベースアップみたいなもんなのかなぁ。でも全部完成させた暁にはやっぱり期待税収より落ちるとは思うけど。まあ徴税コストの問題もあるし,あるいは関空が航空会社の減便とかで苦しい立場に置かれてる中で,ちゃんと二期工事を完成させる,というコミット料を含めてるのかも,と思ったり。・・・とか考えてると新たな火種も。

関空の支援策なければ負担拒否 2期島護岸工事で橋下知事
大阪府泉佐野市が関西空港連絡橋の通行税条例を撤回する方針を固めたことに関連し、大阪府橋下徹知事は3日、「国から関空がどう生き残るかの案が出ないと(関空2期島護岸工事の)予算は付けない」と述べた。
(略)
橋下知事は「国としては地方のことをよく考えた判断だと思う」と評価したが、減便が続く関西空港の具体的支援策を同省が提示しなければ、工事の府の負担金を支払わない考えを示した。
(略)

この辺を一体的に見なくてはいけない,ということなんでしょう。こういう「立体的」な話は分析するの難しそうですねぇ…。