テキストブック地方自治

9月は上旬が割と時間あるのかなあ,というところから始まった割には,途中から政治学会の事務局仕事と後期授業のための教務委員長仕事に忙殺されて何もできなくなるという…なんというか確かにずーっとメール書いてるような日もあるわけですが,それにすべて時間が取られるというより,アテンションが取られるというのが結構きついんですよね。何かあったらどうしよう,というのを細かく考えてくとキリがないわけで。

というわけで宣伝を忘れてたのですが,9月には『テキストブック地方自治[第3版]』が出版されておりました。15年くらい前に初版が出た定評ある教科書ですが,私が参加するのは初めてです。というか執筆者も内容も第2版からもほんとにガラっと変わってきて,ホントにこれを3版といっていいものやら。私は圏域・自治体間連携という章を担当しています。依頼を受けたときはこのテーマで章立てしてる教科書はあんまなかったような気がするのですが,最近だと野田遊先生の教科書をはじめ,以前ご紹介した新しい教科書は結構同じテーマの章があります。

内容は,昨年度『選挙研究』の論文を書いたときに割と集中的にリサーチした成果をまとめたようなもんですが,連携の包括性と合意の拘束性という二つの軸で,非公式の情報交換みたいな連携から完全に組織も統合する合併までをまとめて「連携」として説明するものになってます。それでどちらかといえば合併に偏ったものになってきた日本の連携について説明し,なかなか更なる合併が難しい現在の状況で,圏域や大都市地域みたいな問題をどう考えるか,というような構成にしてます。

自治体の内部組織や人事などはもちろん,情報化とか公民関係,危機管理といった新しい分野でも,まさにその分野を引っ張っている人たちが書いてる面白い教科書だと思いますのでよろしければご覧ください。なお,付論を書いておられる村松岐夫先生(第1版・第2版の編者でもあります)による長めのコラムが読めます。