ビミョウなケネン

id:sunaharay:20061104にある話ですが,みなさまご承知の通り,来年度から,所得税から住民税への税源移譲が始まるわけで。それに伴って,トータルの額は変わらないものの,所得税が減少し,住民税が増加するということになっております。
http://www.zenzeikyo.jp/zei.html
このウェブサイトの設例では,いやまあ住民税がびっくりするほど上がって,所得税もその分かなり下がる,ということになっているわけで。そこでちょっと思ったというかいま微妙に怖がっているのは,住民税の普通徴収なんですが。僕のように,勤務先(というか給与をくれる元)が住民税の特別徴収をしないような人の場合でも源泉徴収を引かれているわけで,所得税が減税になった分,源泉徴収が多めになってくることが予想される,と。まあ普通は年末調整してくれますからそこで返ってくることになると思うので,基本的には問題ないんですが,住民税を払うために返ってきたにもかかわらず使い込んでしまう,という財政錯覚を起こす可能性が高い,というのがかなりに気になります…。僕の場合年末調整があるからまだましですが,年末調整がない場合には,(確定申告の経験がある場合は特に)確定申告をしないとその前の年の住民税を納めるのがキツクなる可能性が。まあほっておいてしまうと,住民税から所得税へのひとり逆税源移譲,みたいな訳のわからん状況になりそうですが。
それからもうひとつ,今一番のケネンなのですが,市区町村の国民健康保険ってどうなるんだろう。いまは,少なくとも東京都近郊では,所得割については住民税額が課税標準(賦課標準?)で,それに料率かけるわけですが,もちろん料率下がるんですよね?実はこれ,変な話で,東京都(周辺?)と大阪府(周辺?)では,賦課標準のとり方が違うのです。数年前に見たときは両方とも住民税額を使っていて,「大阪タケー」と恐れおののいたことがあったのですが,現在は大阪府の周辺自治体では,住民税額ではなく,「所得総額−基礎控除」を課税標準にしているようです。いくつかの自治体を見てみたところ,いやもちろん高いところは高いですが,いくつかの自治体は東京都区内よりも安くなるところも発見。すんごいラフな計算ですが,国民健康保険の上限額(530000円)を払わなくてはならない下限額を計算すると,下限額が(僕が見た中で)一番低いO市は370万くらい。一番高かったI市は640万くらい,とまあえらく違いが出てくるわけで。ちなみに,現行では東京都区内だと470万程度なので,選びさえすれば,むしろ移住した方が保険料が安くなるのではないかと…。あ,ただし,これは「所得総額」なので,給与所得控除などを計算に入れると,下限の「収入」はだいぶ上がります(それを考えると,ホントはもう少し複雑な計算する必要があるか)。
似たような話をふと思ったのですが,社会保険料控除みたいないろんな控除があるわけですが,住宅へ払うお金(家賃・ローン)に対する控除って無理なんですかねぇ…。家賃に苦しめられている人間としては,それで税額が下がるとありがたいのですが(といっても必要税額と他の人によるので下がる保証はないですが)。現状,職無しの人間のほうが,かなり給料高い人よりも高い家賃を払わないといけないケースは少なくないわけで…。実際に払ってる家賃を控除して税額決めたら,少なくとも官僚・大企業で大きくフリンジ・ベネフィットをもらっている人は税額がその分ちょっと増えるわけで,それを通じて不毛な家賃補助叩きも緩和されるかもしれないし…と思うわけですが,まあアジェンダ設定者が現行制度の一番の受益者なので,ありえない話なんでしょう。まあ単なる思い付きですが。しかし税金は難しい。