新委員会人事・続報

委員の差し替えについて、北海道新聞が興味深い続報を出してます。

政府は十五日、国会の同意が必要な「地方分権改革推進委員会」の委員に就任予定だった宮脇淳北大公共政策大学院院長の内定を取り消し、神奈川県開成町露木順一町長への差し替えを決めた。急転の背景には、菅義偉総務相の肝いりで進んだ人事に対する、“地方行政のドン”を自任する片山虎之助自民党参院幹事長の猛反発があったようだ。
「怒っているのは、わしだけじゃない。差し替えも一つの選択肢だ。よく考えろ」。片山氏は十二日、国会内で菅総務相に怒声を浴びせた。道路公団改革に取り組んだ作家の猪瀬直樹氏らの分権委員起用が国会への根回し前に報道されたことに、自民、公明両党が反発。怒声はこうした与党内の声を受け、片山氏自身の思いをぶつけたものだった。
片山氏は当初、猪瀬、宮脇氏らを起用する案を内諾していたが、与党内の不満に乗じる格好で三月に入ってから急きょ見直しを迫っていた。菅総務相地方交付税問題やNHK改革など総務省所管分野で、片山氏と相談せずに調整を進めることに腹を立て、総務相の方針に横やりを入れる暗闘状態になっていた。
自民党側は猪瀬氏の差し替えを求めたが、菅氏は知名度の高い猪瀬氏の交代は地方分権改革が後退する印象を国民に与えかねないと懸念し、宮脇氏の差し替えでかわした。宮脇氏は、菅総務相の私的諮問機関座長や竹中平蔵総務相の私的懇談会委員を務め、自民党内では「竹中・菅路線の知恵袋」と見られており、差し替えによって、党内の不満を和らげる狙いもあったようだ。

地方分権推進委 宮脇氏の内定撤回 “菅人事”に片山氏猛反発
道新によると、差し替えの理由としては、

  1. 総務大臣と片山元大臣の対立が主軸
  2. NHK問題等で独走(?)気味の菅大臣を片山元大臣が問題視
  3. 新委員会の竹中系人事(の根回し不足)に自民党公明党の一部が反発

 ⇒NHK問題の仇を新委員会人事で討つ?
って感じでしょうか。しかし当初猪瀬氏の交代を求めてた、っていうのは、道路公団改革の経緯を振り返るとなんだかちょっと怪しい。宮脇先生が差し替えになってしまったことで、議論が地方債から入ることが難しくなったわけで、単に「改革イメージ」が損なわれたっていうだけの問題でもないだろう、と思うわけですが。もしも大臣が、「改革イメージ」というのだけを理由に猪瀬氏を守り、宮脇先生を外したのであれば、今度の新・委員会の先行きはやや不安が残る。せっかく国会同意人事にしたのだから、ここから先は中立的な機関として行動して欲しいところだけども、実際に「外部」から動ける人を調達できない限りそれは結構難しい。今回は、その第一候補となる人を外してしまったわけで…。トップレベルではなく、ボトムアップで関係者の合意を取り付けるのはかなり難しいと思えるのだけど、これからどうなるんだろうか。