千葉市長選挙ほか

週末は公共政策学会。フルで参加したのは実は久しぶりかも,と思ったり。しかし学会終了後の千葉市長選挙の結果はやはり驚いた。まあ優勢が伝えられていたから結果事態には驚かなかったと思うけど,やはり同い年の市長が(しかも政令市!)で登場したという事実には改めて驚く。政治・行政にかかわる経験は市議時代の二年ちょっとということだそうで,はじめはいろいろと大変なことも多いと思われますが,同世代としてはぜひ頑張ってほしいところ。
最近の選挙,特に秋田県知事名古屋市長の選挙では自−民の対立という要素よりも地方政治的な要素の方が強いのではないか,つまりこれは民主党支持とすぐにつながるわけではないのではないか,と考えていたわけですが,この選挙は逆にある程度民主党支持とつなげて考えるべきではないかと。汚職で逮捕された前市長の後継色が強い候補と,全国で最も若くあまりに未知数という点でやや不安を抱える市長への候補という客観的に見てなかなか厳しい選択の構図は,微妙に国政選挙における選択の構図と重なるわけで*1。しかしそのような構図の中でのこの圧勝はすさまじい。また,秋田県知事選挙や名古屋市長選挙でも見られた投票率の上昇がこの選挙でもみられていることがなかなか興味深い。投票率については最近はどうしても選挙関連でテクニカルな研究にやや集中していると考えられるのですが,どうも長らく低下しつつあるのではないかと考えられがちな,政治的有効感のような議論を再検討していくような素材になるのかもしれない。
ニュースは他にも。厚生労働省の局長が逮捕されたというのはかなり衝撃的。この局長は保育関連について長らく担当されていておそらく官僚の方の中では最も多く分権委に出席されている方のひとりで*2,確か省庁を代表するヒアリングで答弁される方としては唯一の女性ではないかと。ヲチの中ではしばしばその発言を拝聴していたわけではありますが,やや考え方が違うところがあっても非常に誠実なお話をされる印象があった方であり,逮捕というのは俄かには信じられないところ。舛添大臣のコメントでも「大変有能な局長で省内の期待を集めていた。同じように働く女性にとっても希望の星だった」というものがあったそうですが,僕自身知り合いからそのようなお話を聞いたこともあり非常に残念。旧労働省出身なのに旧厚生関連で疑惑が取りざたされていて,ご本人も否認されている中で犯罪者扱いされるのは本当にいかがなものかと思うわけですが…。しかし,偽造された証明書を発行したという容疑も含めてよくわからないところのある事件で,これからどうなるのか…*3

*1:もちろん厳密に両条件が同じで民主党系が非常に大きな意味をもつというには,民主党系の市長が汚職で逮捕されたとしてその後継者と,自民党系で極めて若い候補者がでるときでも民主党系が勝つ,というような証拠がほしいところではありますが。

*2:そのため名前が出てくるのですが,昨日はこの検索でアクセスが妙に多かった…。

*3:この記事でも出てますが,「課長として関与しているなら、自ら証明書発行を決裁すれば済む話。なぜ偽造する必要があったのか説明がつかない」という疑問は感じるかなぁ,と。分かってて本来通らないはずの証明書を出した,っていうならまだわかるんですけど。