いただきもの

京都大学の待鳥聡史先生からいただきました。いつもありがとうございます。この本では執政長官(大統領)−議会の齟齬についての議論を,<統治>の論理と<代表>の論理という政党の論理として説明していくもの。僕自身も最近,その待鳥先生に誘っていただいた選挙学会の報告準備などがきっかけで,政党における中央と地方の関係,特に(漠然としてますが)凝集性の問題に関心を持っているので,そのような今後の研究を進める際にもとても参考になるかと。
この本の議論の妙味になるのは<統治>の論理の方かと。ここで議論されている<統治>の論理は,おそらく政治における時間の問題や,公共性の問題,あるいは政府の中長期的な視点といった幅広い(扱いにくい)問題と絡んでくるのかな,と考えるところです。背景には「中道」(という表現が正しいのかよくわからないのですが)を求める有権者,のような存在があるのではないかと思います。そういう意味では,Alesina and Rosenthal(1995)がわりと似たような問題を扱おうとしているのではないかと思ったのですが,有権者の判断としての選挙を通じた大統領と連邦議会の構成に注目するこの研究とは異なって「政党の論理」というアプローチもありうるということなのだと思います。

<代表>と<統治>のアメリカ政治 (講談社選書メチエ)

<代表>と<統治>のアメリカ政治 (講談社選書メチエ)

Partisan Politics, Divided Government, and the Economy (Political Economy of Institutions and Decisions)

Partisan Politics, Divided Government, and the Economy (Political Economy of Institutions and Decisions)