会派分裂−静岡
自民県議団 新会派設立、迷走
自民党県議団の分裂問題で、新会派「自民改革会議」の設立総会が19日開かれた。若手中心に積極的な政策立案を進めるとしている。しかし、発足メンバーは18人にとどまり、現会派(22人)が依然として最大会派を維持することになった。
新会派は、川勝平太知事が提出した県空港部廃止条例案に反対してきたグループで構成し、1期から3期の若手や小楠和男元幹事長らが参加した。人数は流動的だが、24日に議会事務局に届け出る。(後略)
40人の会派が22人と18人に分かれるわけですからまあ真っ二つ。記事をよく読むと背景はなかなか複雑のようです。まず静岡県知事選挙では,民主党がやや分裂しつつも,民主党推薦の候補が自民党推薦の候補に勝利して知事になりました。当然自民党は知事に対して野党的立場を維持するものと思われるわけですが,どうやら空港問題などで自民党(主流派?)は知事の方に歩み寄っていたようです。この点については,読売新聞の記事の方が具体的ですが,その中で
川勝知事に協調的な議員が旧会派にとどまったのに対し、新会派のメンバーは川勝知事に批判的とされる点について、大場代表は「(新会派は)知事に反対する勢力ではない。知事の応援団として、支えるべきは支え、行き過ぎるところはチェックする」と述べた。
ということで,なかなか微妙なところ。単純に考えると大阪府のように知事に協調的な人たちが飛び出していくことが予想されるわけですが,静岡の場合は自民党県議の中心が知事に協調的という状況になっているので,対立案件(空港問題)で折り合いがつかずに飛び出した,ということのようです。ただ,飛び出した勢力がこのままずっと知事に対立的か,というとそういうわけでもないように思われますが,この辺は国会議員との関係もあるのかもしれません。もう少し観察が必要なところでしょうか。
しかし,自民党の国会議員はこの状況でいいのかね,という感じはしないでもないですが…まあ新・旧両会派で県連の幹部を決めるということになるようですが。ただ静岡県というのは面白い県で,県連の会長が国会議員ではあるのですが,毎年持ち回りで変わっていく傾向があるんですよね。強いボスみたいな議員がいなくて,国会議員の連合体みたいな感じの県連になっているというか。実はこないだ分裂した滋賀県もそういう感じになっています。他に似たようなところといえば,香川県や福岡県などが当てはまります。まあ政治状況にもよりますが,どういうことになっていくでしょうかね。もしこの辺の件を中心に分裂が続けば,有望な独立変数なのかもしれません。