石綿基金

局所的な健康被害に対して,国がどういう施策(救済)を行うことができるのか,というのはいつも難しい。

06/09/28 時事通信の記事より
 アスベスト石綿)で健康被害を受けた患者らの救済制度をめぐり、全国知事会は28日開いたエネルギー・環境問題特別委員会(委員長・橋本昌茨城県知事)で、地方交付税措置などを条件として、石綿健康被害救済基金への拠出に応じる方針を決めた。年内に知事会の総会に諮って決定し、国に交付税措置などを求める。

たぶん。地方からみたら,なぜ自分たちがカネを出すのか,というところなのでしょう。このケースの場合は,原因企業はある程度特定されているのではないかと思うのですが,国・地方自治体からも負担を求めるということは,原因企業だけで賄うのが難しい,と。確かに最近アスベストを「排出」している事業者は減っているわけだし,遡及して全額を原因企業に要求するのも難しいのかもしれない。まだあまり経過を追っていないのでなんともいえないけれども,国の不作為を訴える賠償訴訟は提起されたのだろうか。その場合,地方自治体は訴えられるんだろうか…。分権改革以前の規制だから,たぶんそれはないと思うけど。調べないとなぁ。
しかし,昔からやっていることではあるけれども,やっぱりこういうときには交付税措置なのか。というか,(1)これを交付税措置することにどんな積極的な意味があるんだろう?(そうするくらいならもともと地方の拠出を要求しないのでは?),(2)交付税が減っている中で,新規の「交付税措置」という手法にどの程度の意味があるんだろう。額としては「去年と同じ」から取り立てて変わるわけでもないと思うけど。