瓢箪から駒

社会保険庁の改革が,何か凄いことになるらしい。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20061027/eve_____sei_____000.shtml

政府・与党は二十七日、社会保険庁を給付などを担当するサービス部門と、保険料の徴収部門に分割し、徴収部門のみ国税庁に統合する「歳入庁」構想の検討に入った。年内に案をまとめ、関連法案を次期通常国会に提案する方針。
(10月27日 東京新聞

社会保険庁がずっと批判を浴びていたとしても,これだけはできないだろう,と思っていたのですが。記事を読む限り,どうやら自民党幹事長筋の話ということで,特に財務省厚生労働省との調整は全くやっていないらしい。

これまであんまり指摘されてなかったような気がするけども,(アドバルーンではなく)現実として考えると確かに給付のほうは問題。

民主党も昨秋の衆院選マニフェスト政権公約)で徴収部門を一体化する「歳入庁」構想を掲げたが、給付部門の扱いについては触れていない。政府・与党で検討を始めた案は、給付部門と完全に切り離し、徴収部門もリストラした後で国税庁との一本化を検討するという内容だ。

政府・与党案では,歳入庁の役割を歳入関係のみに絞って,給付は独立行政法人や民営化で対応するということ。これはおそらく,歳入庁というかたちで統合するにあたって,一番「簡単な」方法だからだろう。給付も持つとなると,年金に加えて,医療をどうするかという問題もついてくると思われる。それでなくても,この案でも政管健保はどうするんだろう?というのは疑問がないわけじゃない。また,共済については厚生年金との一元化の議論があるので大丈夫かもしれないけど,船員とか短期(医療)と長期(年金)が組み合わさった保険の扱いは結構難しいんじゃないだろうか。ただ,底まで考えると,どうしても公的扶助の話とかが出てきそうなので,とりあえずは歳入部門を給付部門から切り離す(そして国税庁とくっつける),っていうところまでというのは現実的なのかもしれない。まあ公的扶助まで視野に入れているほうが,Tax Creditの議論なんかを入れやすいので望ましいところではあると思うけど。ただ医療は難しいんだろうなぁ…。社会保険庁限りでやっている部分はそれほど多くないことを考えると,どちらにしてもバラバラの制度になりそうな感じか。